気象観測衛星ひまわり8号、世界初のカラー画像を公開!技術の向上で衛星の海外展開も期待
これまでに比べ鮮明な画像
気象庁は4月16日、新型気象観測衛星「ひまわり8号」が、試験運用中に撮影したサンプル画像を初めて公開。ひまわり8号は、昨年10月に打ち上げられた気象衛星で、これまでと比べ鮮明な画像を送信できるようになりました。
8号の性能は,7号に比べてデータ量が50倍と大きく躍進。撮影間隔も7号が30分に1回だったのに対し8号は、2分30秒と短くなりました。
雲と区別つかなかった黄砂や,火山灰も撮影可能
ひまわり8号は、世界で初めてカラー画像を送ることが可能になり,白黒画像では雲と区別がつかなかった黄砂や火山灰も撮影可能。影響の出る範囲を予測したり、早めに注意を呼びかけたりするのに役立つと期待されます。
気象庁では、台風の目や積乱雲が発達する様子や、桜島の噴火で上空約4,000mまで上がった噴煙が東に流れていく様子を捉えた画像など10種類を公開しています。
▼気象庁:ひまわり8号のサンプル画像の公開
アジア各国,気象観測は「ひまわり」頼り
ひまわり8号は、海外の新世代の静止気象衛星に先駆け今年7月から運用を始めるため,国際的な注目が集まっています。気象庁では,「アジア太平洋の諸国は台風など自然災害が多いが,必ずしも気象観測の手段が発達していない」と指摘。そのため「『ひまわり』に頼ってるといっても過言でないとみています。
気象庁では、アジア太平洋地域の30ケ国以上に対して単にデータを提供するだけでなく,データ解析の研修を行うなど支援しています。
気象観測など宇宙利用ニーズは拡大
世界全体でみると、気象観測や通信など宇宙利用のニーズは拡大しており、商用衛星の国際市場は成長しています。打ち上げに加え,日本は衛星をつくる技術もあり、この衛星は世界に通用する「製品」です。世界に適用する「製品」は、技術的な面だけでなく,品質やコスト,納期の要求に応えられるものであり,衛星が軌道上で移動した実績があってこそ「製品」として認められます。世界レベルの衛星をつくる技術を持ち続け、その実績をもとに衛星ビジネスの海外展開も期待されます。
[2015.5.6]
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