解雇、雇い止め過去最少に!企業倒産は減少,人手不足が背景に
「勤め先や事業の都合」による退社は14万人減少し47万人
総務省の労働力調査によると、完全失業者のうち解雇や雇い止めなどの「勤め先や事業の都合」により前職を離れた人は、昨年47万人と前年から14万人減少しました。比較できる平成14年以降で過去最少となりました。
また、自分や家族の都合による「自発的な離職」も90万人と前年から6万人減少しました。企業の倒産は減少傾向なうえ、人手不足で新たな人材を雇うのが難しいことが背景にあるようです。
ITバブル崩壊後には過去最多,115万人が人員整理
完全失業者のうち、勤め先の都合で前職を辞めた人はこれまで平成19年の59万人が最少。一方,最多は米ITバブル崩壊の影響をうけた平成14年の115万人,次いでリーマンショッック危機直後の平成21年の110万人。昨年は企業の人員削減の動きに一服感がみられました。
昨年、希望・早期退職者の募集実施を公表した上場企業数は,過去最少の31社。募集人員も7,098人と3年ぶりに1万人を下回りました。
不採算事業を整理し、新たな収益事業へ集中
企業による人員削減は,不採算部門や統廃合など不採算事業を整理するとともに、成長事業や高収益事業へ経営資源を集中することが必要となります。合理化が一段落したところで企業は今後、生き残りをかけ収益性を高めるため、より積極的な再構築が行われていくと予想されます。
倒産件数は昨年9,731社と24年ぶりに1万件を下回りましたが、中小企業金融円滑化法のリスケジュール(条件変更)の影響も多大。体力が温存しているうちに、次の成長事業へ経営を集中しなければなりません。
増加傾向の非正規雇用
労働力調査によると、昨年の雇用形態は正社員が3,287万人と前年から15万人減少する一方,、非正規社員は1,962万人と56万人増加しました。年齢別では、正社員の15〜64歳が21万人に減少し65歳以上は5万人増加しました。非正規社員はどの年代も増加するなど雇止めは一段落するものの、非正規率が全体の37.4%に上ります。景気拡大には賃上げを掲げる安倍政権にとって,中小企業や小規模事業者へどこまで給与上昇が実現されるか注視されます。
[2015.3.28]
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