経営者アンケート、7割超えが「緩やかに景気回復」!本格的な回復には中小・小規模事業者の賃上げ
前回調査から3割増、景況感が大幅に改善
日本経済新聞社が3月21日にまとめた「社長100人アンケート」によると、国内の景気は「緩やかながら回復している」と回答した経営者が全体の74.5%を占めました。米国経済の回復を受け、円安や株高の影響で前回調査の昨年12月から34.4ポイントと大きく上回り、景況感が大幅に改善しています。
手元資金の使い道では「設備投資」が46.9%、「M&A(企業の合併・買収)」が36.6%など、成長投資を挙げる経営者が目立ちました。
安倍首相「本格的な景気回復には中小・小規模事業者の思い切った賃上げが重要」
安倍首相は3月19日、日本商工会議所の総会で「今後、景気回復の風が全国津々浦々に届くかどうかは、中小・小規模事業者が思い切って賃上げに踏み込むかどうかにかかっていると」と強調。挨拶の冒頭では全国の中小・小規模事業者まで景気回復の波が届いていないことを認め,賃上げの重要性を強調しました。
3月18日には春闘の集中回答日を迎え,自動車や電機などベースアップに相当する賃金アッップを回答。大手主要企業では、大幅な賃上げがみられます。
月例経済報告:「景気の判断」を前月から引上げ
内閣府の3月の月例経済報告では、「景気の判断」を前月から引上げました。輸出増が生産と企業の収益を押し上げ、投資や賃上げに繋がる流れができたとしています。もたつき気味の個人消費が持ち直せば持続的な景気回復の道筋が見えてくると判断しています。
個人消費を巡っては,消費者心理を示す判断指数は3ケ月連続改善。内閣府は2月までの「消費者マインドに弱さがみられる」の表現を3月の報告ではずしました。
本格的な景気回復、中小の賃上げが重要
景気が上向くには、何よりも個人消費の力強さが欠かせず、労働人口の約7割を占める中小企業の賃金が上がらなければ本格的な景気回復は望めません。中小企業では、大企業とは異なり昨年に比べ賃上げに慎重な企業が目立っているのも実態です。
一方,労働者全体の約4割を占める非正規雇用の賃上げも重要。安倍政権は平成27年度予算案で非正規社員へ賃上げをする企業に助成金支給などを盛り込むなど、本格的な景気回復には中小・小規模事業者の賃上げがどこまで進むか注視されます。
[2015.3.27]
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