リブロ池袋閉店へ/「ニューアカの聖地」手放す西武百貨店、「セゾン文化」の行末やいかに
さらば!「ニューアカ」の聖地/リブロ池袋本店、6月に閉店へ
3月4日、株式会社リブロ(東京都豊島区東池袋4‐23‐15/代表取締役社長:三浦正一氏)が東京・池袋の西武百貨店(株式会社そごう・西武:東京都千代田区二番町5‐25/代表取締役社長:松本隆氏)池袋本店内にある「リブロ池袋本店」を平成27年7月末までに閉店することを明らかにしました。
「リブロ池袋」といえば、数多くの書店の中でも芸術、文学などの品揃えの良さに評判が高く、「ニューアカデミズム(ニューアカ)の聖地」の異名を持つことでも知られます。
「本店閉店」でも新店オープン!/出版不況の中でも経営は堅調
リブロ池袋は長い間、池袋最大の売場面積(約3,500平方メートル)を誇る書店だと言われてきました。しかし、平成9年の大型書店「ジュンク堂池袋店」の開店などで、競争が激化。インターネットや電子書籍の普及による書店経営への影響も問題視されています。
しかし、今回の閉店に経営状態が関係している様子はありません。リブロの平成26年2月期決算の売上高は211億円。最終利益は2年ぶりの黒字。また、近日中に千葉に店舗をオープンすることも発表されています。
親会社同士の対立のさや当て?!疑問の残る「リブロ追い出し」
リブロによると、今回の池袋本店閉店については、テナント契約の更新にあたり、再契約を希望したものの西武側からの契約継続が認められなかったとのこと。西武側はその理由を明らかにはしていません。
西武の親会社にあたるセブン&アイ・ホールディングスの会長:鈴木敏文氏がリブロの親会社である日本出版販売株式会社(東京都千代田区神田駿河台4‐3/代表取締役社:平林彰氏)の競合であるトーハン(東京都新宿区東五軒町6‐24/代表取締役社長:藤井武彦氏)の役員も務めていることが影響していると見る向きもありますが、それが真実だとすればなんと大人気ないことでしょう。
NO BOOK,NO CULTURE!
リブロは昭和60年、西武百貨店の書籍事業部を分離して設立。セゾングループの創業者:堤清二氏が主導した「セゾン文化」の発信に大きく貢献しました。本好き、本屋好きにしてみれば「本屋が無くて、なにが『文化』だ」と文句の一つも言いたくなります。
閉店を惜しむ声が広がる反面、「最後に一肌脱ごう」と出版社の協力も増えているようで、店舗では連日サイン会や原画展、トークショーなどのイベントが目白押し。そこから西武百貨店へ消費者が流れている様子も目に浮かびます。リブロと袂を分った西武百貨店には、また新たな書店が入るのかもしれませんが、「ニューアカの聖地:リブロ池袋」の更なる発展を、祈らずにはおれません。
[2015.3.26]
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