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日本郵政、豪物流大手「トール社」買収で収益率高い「アジア・オセアニア」の成長市場を取り込み

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トール社の強み、アジア・太平洋の海外物流参入で収益向上
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日本郵政グループは2月18日,豪物流大手のトール・ホールディングスを約6,200億円で買収することを発表。トール社の強みであるアジア・太平洋地域の海外物流に本格参入し、収益性を高めるとしています。
日本郵政にとってはこれまで過去最大級の買収。同社は、今秋に株式上場を予定していますが、国内郵便事業が低迷するなか、海外物流に成長戦略を求めました。日本郵政傘下の日本郵便の髙橋社長は、「両社にとって事業転換の性格を持つ取引となる」と世界をリードする物流サービスになりつつあるとコメントしています。

世界物流売上5位に浮上
日本郵政の物流事業を担う日本郵便と、トール社の売上高の合計は約3兆6,000億円。世界の物流企業のなかでは5番手程度になります。最大手の独ドイツポストDHLグループが約7兆5,000億円、米UPSの約6億6,000億円とさらなる上位へ追撃します。
アジアの物流は拡大しており、製造業のスリム化など物流業者の統合も進んでいます。日本郵政は,豪州当局の認可が得られればトール社を通じ今後も買収戦略をとる可能性があるとみられています。

アジアやオセアニア、インフラは整備済み
トール社は道路や航空,海上,鉄道と世界的な物流網をすでに築いており、日本郵政は買収により自社の郵便事業に比べ収益率の高い資産を獲得できます。
日本郵政は、国内の郵便物の減少や人件費の高騰もあり郵便事業で厳しい経営状況が続いており、アジアやオセアニアなどの海外の成長市場に活路を求めることで事業の立て直しを図る方針。日本で培った配達スピードなどで競争力を高め競合企業に対抗します。

日本郵便、ゆうちょ銀、かんぽ生命、今秋上場
日本郵政は,傘下の日本郵便とゆうちょ銀行、かんぽ生命とともに今年9月〜12月のいづれかに東京証券取引所に上場する計画で課題となっていた収益性の低さを改善します。トール社の買収に加え,グループ最大の資産を持つゆうちょ銀行は国債に偏っている資産運用を見直し,国内株式などリスク資産の比率を高めるとしています。日本郵政の上場に大きな課題となっていた日本郵便とゆうちょ銀行の収益力を上げ株式価値を高める方針です。


[2015.3.3]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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