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政府系金融機関、政投銀と商工中金の民営化を先送り!民間金融機関が対応できるまで災害,経済危機に公的支援

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平成27年度からの民営化も先送り
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政府系金融機関の在り方について検討してきた財務省と経済産業省は2月21日,大規模災害や経済危機が発生した際の資金供給に万全を期すため、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫の完全民営化を棚上げする方針を発表しました。現在、政府は、日本政策投資銀行に100%、商工組合中央金庫には約46%出資しており,現行法では平成27年度から5〜7年度にかけ保有株を全て売却し完全民営化することになっているものの、完全民営化の時期も明示も見送りました。

リーマン、大震災,これまで民営化に2回先送り
安倍政権は,これまで保有株を全て手放す完全民営化の時期を法改正により、リーマンショックと東日本大震災の金融支援に2回ほど先送りしてきました。今回の閣議決定で時期を明示しないのは初めてで、完全民営化の目処はたたなくなりました。
改正案では,金融危機や自然災害などが起きた際に、日本政策投資銀行に中小企業の資金繰り支援を義務づけ、民間の金融機関が同じ業務ができるまで日本政策投資銀行の3分の1超えの株を保有するとしています。

民間にできるか?福島第1原発の東電巨額融資
完全民営化を見送りしたのは、日本政策投資銀行が経済対策などの際に一般会計の枠外で資金を自由に使える便利な存在だとも考えられます。リーマンショック後の中小企業への資金繰り支援や福島第1原発事故による東京電力への巨額融資など、民間の金融機関にとれないリスクを身代わりする役割も再認識された面もあります。
一方,民間の金融機関では、民業圧迫との声も聞かれますが民間でも融資できる仕組みがあれば手を挙げるか否かを問わず、日本政策投資銀行のみを特別扱いする必要はないとしています。

民間金融機関は民業圧迫と反発
政府系金融機関の問題は設立当初,日本の戦後復興に向けた長期的な資金の供給という重要な役割があったものの、その役割は手を替え品を替え生き残っているのも事実。民間の金融機関からは、業務を圧迫しているとのことで反対し閣議決定に反対するのは反発するものの、このような法案が自然に通過することがないよう質疑を期待したいところです。
安倍政権は,日本政策投資銀行と商工組合中央金庫の完全民営化する方針は保持するものの、災害対応など民間の金融機関がその中心的な役割を果たせるまでの期間は、危機対応業務の実施を義務づけ政府の関与を残すとしました。

[2015.2.23]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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