中小企業の後継者探し,安倍政権の「後継者バンク」成立はゼロ!甘くない中小、個人事業主の事業承継
起業者の新たな土地,建物の負担を軽減,事業承継を円滑に「後継者バンク」後押し
安倍政権は,後継者が不足する中小企業、個人事業主に人材を供給するための「後継者バンク」を設立し,主に起業を考えている人材との組み合わせを紹介することを本格化させます。起業を考える人材が新たに土地や建物を借り負担することなく、既存の企業を引き継ぎコスト面を減少させる狙いです。
昨年6月には安倍政権の新成長戦略「日本再興戦略」でも「創業希望者をプールした後継者人材バンクの開設」が取り上げられ、昨年4月には、静岡県商工会議所で「後継者バンク」が全国に先立ちスタートしています。
起業者への全国13ケ所でスタート、金融機関,商工会議所で呼びかけ
「後継者バンク」現在,岡山,長野両県でも開設しており県レベルでの取組みを踏まえ、安倍政権は全国13ケ所に順次スタートさせたい方針。「後継者バンク」に登録する創業希望者は、各都道府県の金融機関や商工会議所で開くセミナーで呼びかけるとしています。同バンクでは、後継者不在で相談に訪れた事業者の希望と照合し,双方を引き合わせ債務整理など実務的な条件を調整し事業の引き継ぎに繋げるとしています。
昨年4月からスタートした静岡県では,半年が過ぎ創業希望者が31人,引き継いでもらいたい事業者が21件あるものの事業の承継した事例は未だありません。
事業承継ならず継続断念,企業の休廃業は増加傾向
中小企業の後継者難は深刻化しており、事業承継がうまくいかずに事業を断念する企業も増えています。東京商工リサーチによると平成25年の企業の休廃業・解散件数は2万8,943件と10年前に比べ2倍以上に達し,中小企業円滑化法のリスケジュール(条件変更)などの軽減措置で減少する倒産件数と背反するように昨年も増加傾向にあるのが実態です。
起業家にとって既存の事業を引き継ぐ場合に,設備投資などの資金を負担する必要があるものの、既存の事業を引き継いだ方がコスト面で有利な場合もあり、どうマッチングさせるかが鍵となります。
東京都は「後継者バンク」の開設予定なし
静岡県の「後継者バンク」では、同制度発足前に後継者を公募するプロジェクトを行っていますが,様々な好条件が重ならなければ事業承継は難しいとしています。一方,東京都では,中小企業,個人事業主など不動産の承継が関連する場合が多く,不動産の民間業者が多いという観点で「後継者バンク」を開設する予定はないとしています。
安倍政権の肝いり事業で進む「後継者バンク」ですが、事業承継の実現にはまだまだ課題が多くあります。
[2015.2.5]
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