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金融庁、地域金融機関へ再編圧力!大東京・北部信組合併,ゆうちょ銀上場が起爆剤?信用組合へも再編波及

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新潟では太陽・五泉信用組合が合併
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東京都を基盤とする大東京信用組合と北部信用組合は12月24日、来年12月を目処に合併することを発表しました。今年7月には、新潟県の太陽信用組合と五泉信用組合が合併し、さくらの街信用組合をスタートさせるなど、地域金融機関の再編の流れが信用組合にも波及してきました。
信用組合は、信用金庫に比べより小規模な企業を取引の対象とすることが多くみられます。業務内容は銀行とほぼ同様ですが、一番の違いは銀行が営利を目的とする組織に対して、信用組合は組合員の経済的地位の向上を一番の目的としています。

地域機関同士の融資競争で
金融機関は、人口減少に伴うなか預金残高が減少傾向にあり、特に高齢者の多い地域では、相続の際に子供が都市部で生活するなど個人預金の流出も懸念されます。市場規模に対して地域の金融機関は多く、融資競争などの激化で利ざやを稼ぐことも困難な状況。金融庁の試算では,平成37年までに中小企業向けの貸出は、全ての都道府県で減少し,半分近い20の自治体では、15%以上と大幅に減少する見通しを示しました。
バブル崩壊後,大手銀行はメガバング3行に再編されたものの、地域金融機関の再編は進んでいないのが実態です。

貸出先少なく国債の運用も困難に
地域金融機関では,貸出先は少ない上に日銀の異次元金融緩和で国債での運用が事実上できない状態にあります。金融機関の収益低下を背景に,金融庁では地域金融機関の再編に本腰を入れ始めています。
長期金利は、史上最低の0.310%まで低下し、日銀は大量の国債を購入。住宅ローンや企業の貸出金利も下がり融資が伸びないなか、地域金融機関では金利競争から利ざや低下や金利が反転するリスクなど市場の歪みが懸念されます。

アベノミクス「地方創生」:地域経済を支える金融機関へ
地域経済が長期低迷と指摘されるなか、安倍政権は「地方創生」を重要課題とするものの、地域金融機関が経済を支える活動をしなければ実現は困難。地域金融機関の再編によりコストの削減などは可能であるものの、不動産担保や過去の実績による従来型の与信判断だけでは根本的な解決になりません。新たなビジネスモデルなどの構築など抜本的な改革が求められます。
来年には、ゆうちょ銀行が上場を目指し地域金融機関にとっては再編を促す要因にもなります。上場で競争力を増せば地域金融機関にとっては脅威であり,来年は金融機関の動きが注目されます。

[2014.12.31]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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