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多重債務者16万人,ピーク時の10分の1以下に!改正貸金業法の評価の裏に潜在する資金ニーズ

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多重債務者:借入が5件以上ある消費者
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個人の債務情報などを管理する日本信用情報機構のデータなどをもとに金融庁は,消費者金融などから借入が5件以上ある多重債務者が9月末時点で16万人と3月から1万人減少したと発表。ピークだった平成19年2月の177万人の10分の1以下に減少しました。平成22年6月に完全施行した改正貸金業法は、消費者金融などの貸出総額に制限がかかり多重債務者の解消が見られるとしています。
多重債務者は、毎年3〜4万人のペースで減少してきましたが,減少幅は縮小しており下げ止まりの兆候がみられます。

借入5件以上は16万件、4件未満は37万人と倍増
データは、5件以上を多重債務者として捉えていますが、問題は件数でなく返済可能かどうかであるとも言えます。日本信用情報機構によると、借入件数が4件未満が37万人、3件未満が103万人,2件未満が262万人,1件が764万人と登録人数は1,182万に上ります。
平成18年に法改正議論が盛んとなり多重債務者の借入件数が5件以上と捉えるようになったのはメディアがきっかけ。多重債務者の本質的問題がずれているようにもみえます。

総量規制で本当に資金が必要な消費者まで借入できず
消費者金融などは、完全施行した改正貸金業法により個人の借入額を年収の3分の1に制限する総量規制により貸出が抑制されました。一方,貸出を抑制することで本当に資金が必要な消費者や事業者がヤミ金や偽装質屋など違法業者に走らせたとの批判もあり、どれくらいが利用しているのか実態はつかめません。
このような問題もあり,貸金業法の再改正が必要との意見もでており今後の議論が注目されます。

過払い金請求,債務整理が身近に、多重債務者の減少に貢献
最近では、過払い金返還請求や債務整理のコマーシャルが頻繁に流れるなど、最悪の事態を招く前に適切な方法で問題を解決した消費者も多く多重債務者減少の下支えとなりました。
多重債務問題は,一時に比べ落ち着きをみせていますが,多額の借入をしている消費者は相当数存在しています。金融庁は、今年も12月末まで「多重債務者相談 強化キャンペーン」を実施し、日本弁護士連合会などと消費者や事業者向けの無料相談会に取り組みます。

[2014.12.23]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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