アマゾン、国会図書館の古書を電子書籍で販売!撤退,縮小続く電子書籍元年はいつ?
日本の歴史的な浮世絵や小説などを電子書籍化
アマゾンジャパンは10月29日、国立国会図書館の所蔵庫から著作権の保護期間が切れた歴史的な浮世絵や小説などを電子書籍化。アマゾンの電子書籍販売サイト「キンドルストア」内に新たに「キンドルアーカイブ」を設け販売を始めたことを発表しました。
芥川竜之介の「羅生門」や福沢諭吉の「学問ノススメ」などの名作から,葛飾北斎の「冨嶽百景」や安藤広重の「東海道五十三次」など世界的に有名な浮世絵まで1タイトル100円で販売します。
▼アマゾン:「キンドルアーカイブ」
現在431タイトル、年内には1,000タイトルへ拡充
国立国会図書館は、日本国内で発行されたすべての出版物が揃う巨大図書館。図書や雑誌など合わせ年間100万冊づつ増え、現時点での所蔵数は約3,000万冊に上ります。アマゾンでは、現在の431タイトルから著作権の保護期間が切れた名著をセレクトし年内に1,000タイトル以上に増やす計画です。
「浮世絵」など現在、国会図書館の近大デジタルライブリーで公開されていましたが,「キンドルアーカイブ」で購入し専用リーダーの「Kindle」などで手元で浮世絵などを綺麗に見ることもできます。「キンドルアーカイブ」は日本だけでなく、文化価値のある日本の歴史的書庫を海外からも便利に利用できるようになります。
TSUTAYAはサービス打切り、ソニーは縮小
有名な小説や浮世絵が電子書籍として手軽に手に入れられるのは魅力的ですが,電子書籍を取り巻く環境は明るくはありません。最近では、電子書籍配信サービス「TSUTAYA.com eBOOKs」がサービスの打切りを発表。ソニーも「Reader Store」を段階的に縮小。楽天は以前から手がけていた「Raboo(ラブー)」を閉鎖し、「kobo イーブックストア」を専用リーダーとともに開設しています。
電子書籍は、利便性が高いにも関わらず利用者が増えていないのが現状のようです。
出版社、マスコミは大騒ぎとなった電子書籍元年も・・
電子書籍元年といわれた平成22年,出版業界やマスコミなどは大騒ぎとなったものの、その後、一般消費者へは思うほど浸透しませんでした。平成24年には黒船襲来、アマゾンの「Kindle」が日本へ上陸し、米アップルのiPadや楽天のKoboなど独自の端末も揃いました。
アマゾンの1タイトル100円での名作販売が電子書籍空前のヒットになるかはいかに、電子書籍普及へ1つのキッカケにはなると思われます。電子書籍化は出版社や著者との著作権など課題も多く残り、今後の電子書籍元年の行方が見守られます。
●関連記事:「電子書籍市場は急ブレーキ!?進まぬ電子化、専用タブレットの伸び縮小の要因は「わかりにくさ」」[2013.7.18配信]
[2014.11.5]
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