米新型天然ガス「シェールガス」量産の恩恵!?ドバイ原油価格下落でガソリン、灯油は値下げ傾向
ガソリン、灯油、13週連続値下げ
経済産業省資源エネルギー庁は10月16日,全国のレギュラーガソリンの平均価格が1リットル当たり前週より0.7円安い165.3円と13週連続値下がりしたことを発表。軽油も同0.6円安い143.8円、ハイオクも同0.7円安い176.1円と13週連続値下がり。灯油は18リットル当たり1,918円と8週連続で下落しました。
背景にあるのは,中国や欧州の経済経済先行きの不透明感が強まり,ガソリンニーズが落ち込むとの観測から原油価格は下落。10月16日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場も、約2年4ケ月ぶりになるなど世界経済の減速でニーズは冷え込んでいます。
石油連盟会長、驚きの下落
石油連盟の木村会長(JX日鉱日石エネルギー会長)は、10月17の会見で、アジア市場の指標のとなるドバイ原油が前日1バレル=82.60ドルと、前月から12ドルも下落したことに驚きを見せました。
下落の背景にあるのは米国の新型天然ガス・シェールガスの量産。米国市場に流れ込んでいた中南米産やアフリカ産の原油が余剰となりアジア市場に流入してるとしています。原油価格は,火力発電や都市ガスに使うLNG(液化天然ガス)などに連動するため、11月は大手電力7社と都市ガス4社が値下げする予定です。
恩恵を受ける航空産業
日本企業の中で原油価格の下落に最も直接的な恩恵を受けるのは航空産業。ANAは、来年3月期における原油の前提値はドバイ原油で107ドル。80ドル台で推移していれば相応の業績恩恵が期待できます。ただ、円安進行は原油高にも繋がり一定部分が相殺されることになるものの、ANAの今期為替レート想定は1ドル105円としており、原油安のプラス効果の方がはるかに多いと見込んでいます。原油下落の恩恵は、航空産業だけでなく運輸業や漁業などにも大きな影響をもたらします。
IEA:石油ニーズを下方修正
原油安の大きな原因となる世界経済の減速に伴うニーズの減退は,中国や欧州など市場の低迷が浮き彫りに。IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)は10月14日、今年の石油ニーズの伸びについて従来の予測から日量20万バレルも下方修正しました。
ただ、今後は中東情勢が再び緊迫する可能性もあり原油価格の反発を予想する声も聞かれます。中小企業にとってエネルギー価格の上昇は価格転嫁できない企業も多くみられ死活問題。円安進行で原材料費が上昇するなか、せめてエネルギーコストが抑えられることに期待がかかります。
●関連記事:「関電:米シェールガスの輸入前倒し!エネルギーコスト上昇に歯止め」[2014.6.16配信]
[2014.10.25]
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