沖縄三越57年の歴史に幕!国際通りに新たなニーズ取り込めるか跡地は「よしもと劇場」
郊外の商業施設と競争が激化
那覇市の繁華街、国際通りにある沖縄三越は9月21日に閉店。57年の歴史に幕を下ろしました。沖縄三越は、昭和31年に開業した大越百貨店が前身で、昭和45年に現在の三越伊勢丹ホールディングスと提携。店舗の拡大などを行ってきたものの、郊外の商業施設との競争激化で経営不振に陥っていました。
最終日の9月21日には、約1万8,000人が来店し閉店を惜しみました。沖縄三越は、那覇空港売店と豊崎マイキッチン、JALコーチショップの3事業は継続するとしています。
沖縄観光収入、12%増
沖縄県が9月19日に発表した昨年度の観光収入は、前年度比12.1%増の4,478億6,800万円と過去最高を記録。観光収入の増加は2年連続で沖縄県は今年度の目標を4,970億円に設定しています。
沖縄三越は、観光客ニーズをうまく取り込めなかったようです。高級商品など買い物以外でも家族連れでレストランを利用したり、屋上遊園地で子供たちが遊ぶなど賑わいを見せましたが移り変わる時代に市場のニーズを掴むことができませんでした。
沖縄商業の象徴、周辺へ影響も
百貨店は,地方都市でも苦戦を強いれられ中心商店街でも空洞化が進みます。沖縄三越は沖縄商業の象徴でもあり衰退したままでは周辺への影響も大きくなります。
沖縄三越には、テナントを含め約600人が働いていましたが、再就職希望者の6割は雇用を確保したものの、約4割は未確定。再就職先では約8割がパートでフルタイムは約2割にとどまっています。沖縄労働局や関連企業など再就職希望者への雇用の確保が懸念されます。
来春開業「よしもと劇場」
沖縄三越の建物は沖縄の小売大手、リウボウホールディングスが吉本興業の常設劇場「よしもと劇場」や土産品などをテナントにした商業施設に転換。来春開業予定となっています。
沖縄三越周辺では再開発計画が進み、沖映通りを挟んだ牧志1丁目では再開発が浮上。那覇市桶川の農連市場も大規模な再開発を予定しています。国際通りをゆっくり散策でき繰り返し訪れる街に、バリアフリー化やトイレの整備など地元客も集まる魅力ある街に変貌できるか期待されます。
関連記事:「全国百貨店7月売上高は前年比2.5%減!消費税増税の反動減幅は縮小、三越伊勢丹は一人勝ち」[2014.8.25配信]
[2014.9.29]
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