ソニー不動産、エージェント制導入、手数料は「かかった分だけ」の発想で不動産業界のガラパゴス化打ち破るか
IT活用し不動産の売買仲介
ソニーは、今年4月に子会社ソニー不動産を設立し、8月1日から首都圏で営業を開始。同社はIT(情報技術)を活用して個人向け不動産の売買仲介や法人向けコンサルティングを行ないます。
ソニー不動産では、「日本の不動産業界は欧米に比べ公平性や効率性で100年遅れている。消費者による消費者のための不動産会社をつくりたい」としており、物件の購入や売却,賃貸管理など営業開始から20日で約350件の問合せが寄せられています。同社は、来年1月から営業を本格的にスタートし、5年後に売上高500億円を目指します。
ソニー、今後3年で10以上の新規事業
ソニー不動産は、ソニーが今年4月に社内からアイディアを募り新規ビジネスコンセプトを実現したもの。ソニーでは新規事業創出部が設置され,今後3年で10以上の新規事業を立ち上げる予定でソニー不動産は第1弾となります。
同社は,売上高や利益でナンバー1は目指さず,消費者目線でつくった消費者のための不動産会社を目指すとし、同業他社とは差別化を図る方針。ソニー不動産のビジネスモデルが日本の不動産業界のガラパゴス化に一石を投じます。
不動産売買,売り手と買い手に各々のエージェント
ソニー不動産の特徴は、米国型のエージェント(代理人)制を導入。不動産の売買では,売り主と買主をエージェントが探し、両方から手数料を受け取る「両手取引」がありますが、売り手に大幅な値下げを要求し売り手に不利益を与えるほか、物件の流通の阻害にもつながります。同社では,不動産の売却と購入を別々のエージェントをつけ、組織的に分けることで売り主から高い価格で買い取り,買主には条件に合った物件を紹介するとしています。
手数料は、サポート内容に応じ変動
また、不動産手数料は「かかった分だけ」を算出する発想。顧客に提供する各種サポートの内容に応じ手数料が変動する料金体系です。ソニー不動産では、手数料の負担が減った分はリフォームなどに充て物件の魅力を高めて欲しいとしています。
8月1日の営業開始翌日に売買仲介を成約した東京・中野区の中古マンションでは、一般的な手数料より16%安い価格を請求。物件の管理手数料も一般的な月額平均5%でなく、「かかった分だけ」を請求するとしています。
ITを生かし情報提供
ソニー不動産は,IT技術を生かしマーケットデータを分析。顧客が希望する地域の物件相場の動向や顧客に役立つ情報をわかりやすく豊富に提供するとしています。
ソニーは、本業の家電製造が低迷する一方,保険業や銀行業は好調。「ソニー」ブランドへの信頼を武器に不動産業が起死回生の一手となるか注目されます。
[2014.9.13]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: ソニー不動産、エージェント制導入、手数料は「かかった分だけ」の発想で不動産業界のガラパゴス化打ち破るか
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/1853
コメントする