エボラ出血熱の特効薬!富士フィルム「ファビピラビル」米国防総省も開発・申請支援
3月に感染確認されてからこれまで1,013人の命が
今年3月にギニアで感染が確認されたエボラ出血熱は、8月9日時点で4ケ国、合計1,013人が命を落としました。これまで感染者数の疑いのある人を含めると1,848人に上ります。
米国では、支援活動に従事した感染者2名を帰国させ、未承認薬「ZMapp」を投与するものの、薬の効果があったかは不明。WHO(World Health Organization:世界保健機関)は8月12日,エボラ出血熱の治療に未承認薬を使うのは「倫理的」と認める委員会の検討結果を発表しました。
オバマ大統領、未承認約の投与を承認
WHOでは、有効な治療薬がないまま命を失う状況が増加するなか、米国が先行して未承認薬の使用に踏み切ったことを容認。8月11日にはリベリア大統領が、米国から未承認薬を受け取ることにオバマ大統領も同意したことを発表しました。
エボラ出血熱の治療薬を巡り米政府機関は8月7日、富士フィルムホールディングス傘下の富士化学工業のインフルエンザ用治療薬を利用できるよう申請する意向を示しました。FDA(米食品医薬品局)と協議し,承認されればエボラ出血熱の感染者治療で米当局が承認する初の医薬品となります
富士フィルムの米国提携先、メディベクターが申請
富士フィルムの米国での提携先であるボストンのメディベクターは、エボラ出血熱の治療薬「ファビピラビル」を申請予定。ファビピラビルは、すでにインフルエンザ感染者の抗ウイルス剤として治験が重ねられエボラ出血熱の治療に適用する上で優位性があると判断。米国防総省は、エボラ出血熱に感染したサルでの試験完了を優先。試験の暫定的なデータは9月中旬に得られる見通しと発表しています。
米国防総省:メディベクターに142億円助成
ファビピラビルは、富士化学薬品の吉田要介氏により平成10年に発見。米国防総省は、平成24年にファビピラビルのさらなる開発を後押しするため約142億円をメディベクターに助成。富士フィルムは同薬の権利を保持しています。
富士フィルムによると、ファビピラビルが効能を持つ新型・再興型インフルエンザとエボラ出血熱のウイルスが同型のため転用が可能。日本では今年3月に製造販売承認を取得しているだけに,エボラ出血熱の特効薬として注目されます。
[2014.8.18]
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