ベネッセ「質の高い個人情報」の漏洩!情報管理の甘さが会社の行く末を決める時代
自分の情報が知らぬ間に
通信教育大手のベネッセコーポレーションの顧客情報流出問題は、自分の知らないところで個人情報が名簿業者などでやりとりされていることの恐ろしさを改めて露呈しました。名簿業者については平成17年に個人情報保護法が全面施行されて以来,数は減ったものの営業を続ける業者は少なくありません。情報は、仕入れコストを分散する目的などから業者間で転売されるのが現状。ネットで検索すれば驚くほどの数のサイトがヒットしてきます。
個人情報保護法:販売することに罪はない?
個人情報保護法では、個人情報を販売すること自体に罪はありません。個人情報を入手する際、相手方に利用目的を告げ同意を得なければなりませんが、目的の範囲を超え売買された場合に行政指導となります。指導を無視した場合に刑事罰の対象となるとしています。ただ、同法施行前に収拾された個人情報については、この原則が徹底していないため曖昧な扱いとなっています。
昔と違い今はデータ化され、数百万件の情報も数分でコピーが可能。反乱すれば本来の利用目的などは埋もれてしまうでしょう。
不正確な情報が多いネット上から収集された個人情報
最近の個人情報の流出事件は、ネット上でIDやパスワードで管理され収集された情報の流出が増加しています。ネット上で収集された個人情報は、偽名や不正確な情報も多く必ずしも質の高い情報とは言えません。
一方,ベネッセの個人情報は、アンケートやイベントなど全国各地で子供たちの情報を対面で収集。情報を渡す側も「ベネッセ」ブランドの信頼で安心して提供されました。情報は正確性が高く、当然価値も高くなり、狙われやすくなります。
事業への影響大:コマーシャルは自粛
ベネッセは、情報漏洩で該当するデータベースを停止。新規顧客獲得などのコマーシャルも自粛するなど事業への影響は避けられません。
ベネッセの顧客は育児から教育、介護まで1つのIDで管理され、その層に適したサービスが提供されるだけに従来の強みが揺らぎかねません。ネットやイベントなどで得られた個人情報は、今後のビジネスにおいて欠かすことはできません。情報の管理が会社の行く末すら決定しかねない情報化時代です。
[2014.7.23]
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