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日本の食文化に激震!ニホンウナギが「絶滅危惧種」入り/水産庁:「養殖量に上限」検討

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ニホンウナギがついにレッドリスト登録
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国際自然保護連合(IUCN)が6月12日に発表した最新版の「レッドリスト」に、ニホンウナギが「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種(絶滅危惧IB類〈EN〉)として記載されました。絶滅の恐れがある野生動物を指定するレッドリストにおいて、3区分の絶滅危惧種のうち、リスクの高さは2番目。日本では既に「庶民の味」からかけ離れて久しいウナギですが、土用の丑の日(今年は7月29日)を目前に「絶滅危惧指定」の報道を受け、外食・小売など、各業界へ波紋が広がります。

世界的に高まるウナギの絶滅リスク
ウナギ類は他の種についても危機が指摘されており、世界的にもその現状が危ぶまれています。
ニホンウナギの代替魚として日本でも養殖されるヨーロッパウナギは、平成20年にニホンウナギ(EN)の1ランク上である近絶滅種(絶滅危惧ⅠA類〈CR〉)に分類。19年のワシントン条約締結国会議では、国際取引で規制される種を定めた「付属書Ⅱ」に掲載され、21年からすでに輸入規制を受けています。
さらに近年、東アジアで養殖が盛んな「ビカーラ種」も、今回のレッドリストの中で「低危険種(LC)」から「近危急種(NT)」にランクアップ。絶滅リスクが高まったと判断されました。

行き過ぎた「和食文化」の咎
IUCNのレッドリストには法的拘束力はなく、禁漁など、ただちに大きな影響が及ぶものではありません。しかし、動植物の輸出入を規制する「ワシントン条約」はこのレッドリストを、保護対象を決める際に参考としており、この先ニホンウナギが規制の対象になる可能性も充分考えられます。
ウナギ減少の要因として、レッドリストでまず指摘されているのは「食用のための過剰な漁獲」です。とりわけ日本は、国内用の養殖用の稚魚の半分を輸入に頼っており、その影響と責任は小さくありません。欧米では、ヨーロッパウナギの例から「世界中のウナギが日本人に喰い尽くされる」と揶揄する声も上がっています。

水産庁:「養殖量に上限」検討/保護には環境整備が急務!
絶滅危惧指定を受けたニホンウナギについて、水産庁は資源保護のため養殖量に上限を設ける方向で検討に入りました。今秋以降の実現に向け、具体的な上限量を検討する方針。これには、養殖に必要な稚魚の乱獲に歯止めをかけるという主目的のほか、日本が自主的に資源保護に取り組むことで国際的な取引規制の導入を避けるという狙いもあります。
ウナギ保護のための課題は他にも、海洋環境の変化(エルニーニョ、台風、地球温暖化など)や、河川の自然環境破壊、水質汚染など、数え上げればキリがありません。世界に誇る「和食文化」ですが、行き過ぎで種の絶滅を招いてしまっては「世界遺産」の名折れ。日本の面子を賭けても、環境整備に取り組まなくてはならないと感じています。


[2014.7.5]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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