三菱リージョナルジェット:開発延期から翼胴結合!今秋組立て完了、来春には初飛行
日本初のジェット旅客機、初号機に主翼を結合
三菱航空機は6月17日、日本初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」初号機に主翼をつなぐ「翼胴結合」を終えたことを発表。来春の試験機での初飛行に向け大きな一歩とアピールしました。
開発延期で、初号機納入平成29年
国産旅客機としては、YSー11が昭和48年に採算が取れずに製造中止に追いこまれて以来となります。MRJは当初の計画では平成23年に初飛行,昨年にはANAなどに納入予定でしたが開発延期が相次ぎ初号機納入は平成29年になる見込みです。
エンジンは燃費性能優れた米国製
長さ16メートルの主翼は、アルミ合金製で三菱重工業の小牧南工場でクレーンにつり上げられながら胴体に固定。今後,主翼の下には燃費性能に優れた米プラット・アンド・ホイットニー製の最新エンジンPW1200Gが2基が搭載されます。
PW1200Gは、MRJ用に開発されたエンジンで「Geared Turbofan」の採用により大幅な燃費向上と騒音の低減を実現します。MRJは、金額ベースで全体の6割が海外製でエンジンはその中でも最大を占めています。
開発は初飛行までで5合目
MRJ初号機は今秋にも組み立て作業を終え、地上試験に入る見通しで期待も高まりますが、開発作業は初飛行までいってようやく5合目といわれます。飛行試験では膨大なデータが集積され、分析後に改善が必要な場合は設計へフィードバックされます。これまでの開発作業はあくまでシミュレーションの世界で、現実に機体を飛ばすと机上では想定できなかった問題が発覚する場合もあります。
MRJは、これまで2度の開発延期があるだけに国産初の次世代ジェット旅客機として納期とおり仕上げられるか注目されます。
100席以下の市場、先行2社にロシアが参入、中国も開発へ
乗客人数が100席以下のジェット旅客機は、ボーイング社もエアバス社も手がけず,現在はブラジルのエンブラエルとカナダのボンバルディアが市場を二分。そこへロシアの軍用機で知られるスカイホークが平成23年に出荷を開始。中国企業も同サイズの旅客機の開発を進めるなどMRJは後発。MRJは、すでに300機以上を受注するものの、さらなる市場獲得へトップセールスで世界市場の占有を狙います。
[2014.6.24]
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