消費税増税、原材料価格上昇受け、食品・日用品は値上げラッシュ
チョコレート、ハム、粉ミルク...値上げ続々
消費税が8%に引き上げられて初めての夏がやってきます。増税から約3ヶ月、「駆け込み需要の反動減」もようやく落ち着いてきた感がありますが、ここにきて持ち上がっているのが、身近な食品や日用品の値上げです。
アサヒグループホールディングス傘下でベビーフード大手の和光堂は、この6月から粉ミルク2品の出荷価格を初めて引き上げました。値上げ幅は8~10%。また、日本ハム、伊藤ハムはそれぞれ200品目以上を7月から平均10%値上げすることを発表。明治は「ミルクチョコレート」を従来の55gから50gに、「アーモンドチョコ」を1パック23粒から21粒に、森永も「チョコボール」や「ダース」といった看板商品の内容量を4~8%減らすことなどが報じられています。
新興国需要増や天候不順など、背景には複合的な要因
価格は据え置く商品も、内容量を減らすとあれば実質的な値上げと同じ。これらの値上げには、消費税増税分の転嫁があることはもちろん想像に難くありません。しかし、それぞれの背景に、消費税以外にも様々な要因があるようです。
まず、粉ミルクやチョコレートは、中国やインドなど新興国の経済成長に伴う需要の高まりが、原材料価格を押し上げています。乳原料については、輸入飼料の高騰も無視できません。またカカオ豆も、今夏はエルニーニョ現象の影響で、インドネシアなど主要生産国で天候不順に陥り、供給量が減るとの懸念も台頭。国際ココア機関によると、カカオ豆の価格はこの1年余りで4割程度上昇しています。
深刻な資材高騰、他商品にも波及懸念
なお、豚肉については、主要輸入先である米国で豚流行性下痢(PED)が大流行し、出荷量が減少したという事情も。これにより、5月の東京市場の豚枝肉の平均卸売価格はこの1年で17%も値上がりしました。
この動きは食品原材料のみならず、ティッシュやトイレットペーパーといった紙製品をはじめとした日用品にも広がるとみられています。包装資材などの値上がりもあり、企業のコスト増は必死。「自助努力での吸収は困難」として値上げに踏み切る企業は、今後さらに続きそうです。
「消費者からの搾取」はNG!使命は「経済循環」にアリ
消費者からしてみれば、4月の増税で税込の支払額が引き上げられたばかりなのに、商品本体の価格まで上がるのか...と悲鳴を上げたくもなるところ。
値上げが避けられないことであればせめて、経済の循環を滞らせることのないよう、商品の規格変更に伴う製造部品の入れ替え・設備投資などを意識してもらいたいものです。
[2014.6.19]
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