中小企業三大都市圏:売上DIが改善、2ケ月ぶり!全国に波及するか?
売上DI:マイナス圏内にあるもののマイナス幅は縮小
日本政策金融公庫は5月28日、5月の中小企業景況調査を発表。5月の売上DI(Diffusion Index:判断指数)は、前月のマイナス11.3ポイントから上昇しマイナス5.9ポイントと、依然マイナス圏内であるもののマイナス幅は縮小。消費税増税前の駆け込みニーズの反動減は緩和されつつあり2ケ月ぶりに改善しました。
売上DIは、売上が「増加」と答えた企業から「減少」と答えた企業を差引いた値。調査は日本政策金融公庫の取引先企業、三大都市圏の621社が対象となっています。
今後3ケ月後の見通しDIも上昇
5月の売上DIでは、食生活関連や衣生活関連、建設関連、設備投資関連で上昇が目立ち、今後3ケ月(5月〜7月)の売上見通しDIも前月のマイナス13.0ポイントからマイナス4.2ポイントと上昇傾向の見通しです。
一方、乗用車関連は、マイナス2.2と前月から11.0ポイント低下。今後3ケ月の売上見通しDIでもマイナス24.5と4月のマイナス18.2ポイントからさらに悪化しました。乗用車や家電製品などの耐久消費財は、駆け込みニーズの反動減からの回復には時間がかかるとみています。
資金繰りも余裕?DIも改善
そのほか、資金繰りに「余裕」と答えた企業から「窮屈」と答えた企業を差引いた資金繰りでDIでは、プラス2.9と前月から3.3ポイント上昇し,平成24年4月以来の高水準。金融機関の貸出しに「緩和」と答えた企業から「厳しい」と答えた貸出態度DIは41.0と前月から4.5ポイント上昇しました。
企業にとっての売上は,円安による原材料の高騰や電気代などの値上げに、消費税増税への転嫁が懸念されていましたが,調査内容から反動は5月以降緩和されているようにみえます。
全国の中小対象,商工会LOBO調査:売上DIは悪化
一方,商工会議所によるLOBO調査(QUICK SURVEY OF LOCAL BUSINESS OUTLOOK:早期景気観測)によると、5月の全産業の売上DIはマイナス17.2と前月から悪化。業況DIでもマイナス21.8と前月から7.7ポイント悪化しています。同調査は全国各地域の「肌で感じる足元の景気感」を問い3,096社が対象。全国的には回復が遅れていると予測されます。
調査対象に違いはあるものの、景気回復、売上向上は大企業から中小企業、小規模事業者へ。三大都市圏から地方へ波及させるため、今月閣議決定される安倍政権の成長戦略が注視されます。
[2014.6.7]
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