ネットバンキング不正送金、個人から法人へ被害急拡大!地銀、当日決済サービス停止で急がれる対策
セキュリティ専門職不在の中小が標的
ネットバンキングサービスを悪用し不正送金する被害が、これまでの個人から企業へ急拡大。エンジニアなど専門職が不在の中小企業が標的となっています。
中小企業との取引が多い地方銀行では,昨年度は10数件だった被害が、今年度4月だけで40件を超え,被害額も2億円に達しています。三菱東京UFJ銀行などの大手でも取引先の中小企業に被害が出ており、全国の金融機関の被害件数は、さらに拡大する見通しです。
便利な新サービスの裏には悪用する犯罪も
ネットの普及とともにネットバンキングサービスは、中小企業や小規模事業者へも浸透。混んでいる金融機関の窓口にいかなくても支払いなど決済業務の手間が省ける一方,新たなサービスの裏でそれを利用し悪用する犯罪も生まれます。
横浜銀行など多くの地方銀行では、今年4月下旬からその日のうちに決済ができる「都度振込」サービスを停止。翌日以降に振り込むことで担当者のチェックする時間を猶予できるとしています。
全銀協:預金保護は個人だけ
ネットバンキングサービスは、企業だけでなく金融機関にとっても「即時決済」サービスなど利便性を損なえば大きなダメージ。全国銀行協会は平成20年、不正送金によって被害が出た場合、預金者保護の考えから原則的に補償することを決めています。しかし、対象となるのは個人口座で法人被害に対する補償の方向性は決まっていないのが実態です。
多様化する不正アクセス
これまで犯罪の手口は,ウィルスなどにより法人口座のパスワードを盗み出したり、遠隔操作で不正送金するなどが多くありましたが、最近ではブラウザのセキュリティ部分の弱点を狙い不正をはたらくなど多様化しています。
法人被害の急拡大で金融機関は対策に乗り出し,りそな銀行では法人顧客が適切な対策を講じていることを前提に最大5,000万円を補償。三菱東京UFJ銀行でも対策を検討していますが、まずはウィルス対策ソフトなど最新版に更新するなど企業側の対策も急がれます。
●関連記事:「民間企業へのサイバー攻撃・年間1千件に警視庁、特別捜査隊発足!電子空間は「第5の戦場」に法改正も視野」[2013.4.2配信]
[2014.5.14]
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