ソニーのPCブランドVAIOの事業譲渡を契約締結!復活なるか他社PC、タブレット型端末との戦い
VAIOブランド、SPCファンドへ売却
ソニーと投資ファンドの日本産業パートナーズは5月2日、VAIOブランドを含むソニーPCの事業譲渡に関する正式契約を締結したことを発表。新たにSPC(Special Purpose Entity:特別目的会社)のVAIO株式会社として7月1日をめどに事業を開始します。
SPCは、資産の流動化や証券化などを行い、利益を目的とした企業活動とは異なります。SPCは、譲渡された資産を証券化し資金調達することで財務体質の改善が期待されます。
投資ファンドが利益を上げられるか注目
ソニーのPC事業は,今年春モデルを最後に収束しましたが、販売済みのアフターサービスは継続するとしています。国内では人気のVAIOブランドだけに新会社は、投資家など投資対象として新たな金融商品となりそうです。ただ、日本産業パートナーズはPCメーカーでもなく今後VAIOブランドの価値を高め利益を上げられるかが注目されます。
VAIOは、洗練されたデザインやメカニズム、使いやすさなど様々な訴求力でPC業界に一石を投じましたが、その成果は売上につながりませんでした。市場はタブレット端末などに奪われているのが現状です。
Mac意識したVAIO
米アップルのスマートフォンiPhoneの急拡大で同社のPC、Macやタブレット端末iPadなどが出荷を伸ばす背景で、スタイリッシュなPCが欲しいとのニーズに向け販売されたVAIO。VAIOがアップルのPC、Macに極めて近いコンセプトでつくられたものの、アップルはさらに独自にPC操作、サービスに取組みシェアを伸ばしました。
その後アップルは、携帯音楽プレイヤーのiPadやスマートフォンのiPhoneの追撃で他社との差別化,価値を高めました。アプリケーションがネット上のサービスで提供されるなか、アップル製品はユーザーへワンストップでサービスを提供。VAIOは、プレミアムPCとしての地位を奪われた形となりました。
「世界で働きたい企業」ソニーは2位
人材サービス世界大手のランスタド・ホールディングは世界の人が働きたいと思う魅力的な企業を今年初めてランキング。世界23ケ国男女20万人の調査対象は1位のBMWに続きソニーを2位に選びました。これまでのソニーブランドの底力を世界に見せつけました。
VAIOは、ソニーから分離されるものの、事業の切り離しはブランド喪失ではありません。ソニーから分離されることで状況が改善する可能性も高く、新会社の今後の事業計画に注目です。
●関連記事:「家電不振のソニー、ルネサス半導体工場を買収!家電からモバイル、エンタメ事業へ再編」[2014.2.5配信]
[2014.5.12]
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