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普及進む「野菜工場」地の利活かしてコスト削減/相次ぐ参入、本業技術の活用で販路拡大

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目指せ、自給率100%!注目高まる「野菜工場」
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現代日本の大きな課題の一つに「食糧自給率」があります。カロリーベースでは平成24年度で39%と世界最低レベル。生産額ベースの自給率は68%で、「日本の農業生産力は低くはない」という意見もありますが、充分とは言い切れません。
そんななか注目を集めているのが、光や温度をコントロールながら、季節を問わず建物のなかで農産物をつくる「野菜の工場生産」。東日本大震災で塩害を受けた土地の活用・雇用創出としても大きく取り上げられました。

沖縄で増える「野菜工場」/悲願の葉物自給に期待
4月27日の朝日新聞では、「沖縄で野菜工場が増えている」とも報じられていました。
九州経済調査協会の調査によると、植物工場は九州7県で24カ所であるのに対して、沖縄県には10カ所。年中温暖な「恵まれた土地」というイメージの強い沖縄だけに、工場での野菜生産というのは意外な気がします。
しかし沖縄では従来、夏季は厳しい暑さのためレタスなどの葉物野菜の生産ができず、本土からの空輸に頼っていました。加えて、毎年何度も大きな台風に見舞われる条件下では露地でもビニルハウスでも栽培が困難だったことからも、野菜の安定自給は沖縄の悲願となっていたのです。

暑さ逆手にガラパゴス化?独自の冷房システム採用でコスト削減
期待の高まる「工場」だけあって、生産力は高いものの、空調や照明などの電力コストが常に課題となっています。現在も、国内の植物工場の大半は利益が出ていないというのが実情です。
ところが沖縄の株式会社沖縄村上農園(沖縄県国頭郡大宜味村字塩屋1306番地72/代表取締役社長:金城直登氏)では、暖かい外気にふれて水分が蒸発する際の気化熱を利用した冷房システムを採用するなど、独自のコスト削減方法に成功しています。

メーカなどの参入相次ぐ/本業活かし、販路拡大
生産量や価格の安定化が期待できるうえに、安全性の高い無農薬野菜も作りやすい野菜工場。普及を後押ししているのは様々な技術を持つ異業種企業の参入です。
王子ホールディングス子会社はパルプの原料となる苗木を育てる技術を生かして、三重県でレタスやセロリを生産・販売。富士通は福島県の半導体工場の一部を植物工場に転用し、クリーンルームで低カリウムのリーフレタスを栽培し、病院などにも販路を広げています。

日進月歩、無限の可能性を秘めた野菜工場は国内の食糧自給率を高めるだけでなく、設備や運営ノウハウの輸出も大いに期待できるのではないでしょうか。

[2014.5.7]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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