自前エネルギー・日本初シェールオイルの商業生産開始!石油資源開発、生産コストも「採算とれる!」
1日当たり35キロリットル生産、製油会社へ
資源開発大手の石油資源開発は4月7日,秋田県由利本庄市にある鮎川油ガス田で、国内で初めてシェールオイルの商業生産を1日から始めたことを発表。生産量は,1日当たり35キロリットルとし国内の製油会社へ卸し始めました。
同社は,平成24年10月より同ガス田で岩盤に酸を流しながら溶かし原油を取り出す生産方法の実証実験をしてきており、日本国内での本格活用に期待が高まります。
石油層とは異なるシェール層、技術革新で商業生産
シェールオイルは、米国で大量に生産されるようになったシェールガス同様、頁岩(Shale)に含まれ、これまで石油を産出してきた地層とは別の地層に含まれています。掘削技術が難しいため商用化が遅れていましたがいよいよ商業生産となります。
火力発電の燃料となる石油は、日本はほぼ100%輸入に頼り原子力発電が止まった現在、エネルギー輸入の急増で貿易赤字に陥っています。鮎川油ガス田から産出されるはシェールオイルは年間1万2,000キロリットル程度の産出量。平成24年度の国産原油産出量の1.6%にすぎませんが今後の掘削技術の向上で産出量拡大も見込まれます。
2ケ所のガス田で異なる抽出法
石油資源開発では、同じ秋田県内にある福米沢油田でも今年5月中にシェールオイルの掘削試験を開始。鮎川油ガス田では、既存の油井に酸を注入しながらシェールオイルを取り出しますが、福米沢油田では油を含む層にひび割れを入れ抽出。従来の方法より生産能力が高くなると見込まれます。
2ケ所の油田には女川タイトオイル層と呼ぶシェールオイル層が地下1,300~1,500メートルで確認され、秋田県全体に広く分布。石油資源開発では、福米沢油田の掘削試験の成果を元にほかの場所でも開発を進めるとしています。
進む資源開発、メタンハイドレード
エネルギーの対外依存度が極めて高い日本にとって、国内で自前のエネルギー資源を生産できることは極めて重要。日本はシェールオイル以外でも海底に眠る「燃える氷」と呼ばれるメタンハイドレードの採掘にも着手しています。
当面は、エネルギー産出までの生産コストが気になりますが,石油資源開発では「低コストの手法で十分採算が取れる」と自信を見せます。自前のエネルギーの商業生産の開始で国内での本格活用に期待が高まります。
●関連記事:「日本版シェール革命「メタンハイドレード」日本海で本格調査開始!世界リードする日本は技術革新こそが資源」[2013.2.11配信]
[2014.4.25]
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