日産春闘、労組へ満額回答の方針決定!どうする?トヨタ・電機連合、気になる首相・世論・組合員の目
日産:回答日待たず労組の要求を承認、他企業は・・
日産自動車は3月5日,平成26年度の労使交渉で労働組合の要求に満額回答する方針を示しました。ベア(ベースアップ)は月3,500円。年間一時金は、5.6ケ月分と労働組合の要求が通り、3月12日に正式決定し労働組合に回答します。
今春の労使交渉で満額回答を決めたのは大企業では日産自動車が初。輸出企業など過去最高の利益を生み出した自動車や電機大手など、日産自動車を下回る回答ができにくい状況。利益を確保し内部留保の厚い企業では、世論や組合員、さらには賃上げを要請する安倍首相の目も気になることでしょう。
トヨタ:労組要求の月4,000円に経営側は3,000円台?
自動車では、トヨタ自動車がベアを組合員平均月3,000円台で検討していることが3月5日判明。労働組合員の年間一時金は、6.8ケ月はほぼ満額回答する方針を受けるものの、6年ぶりのベア月4,000円は譲れない構えです。3月5日の労使協議会では、経営側は「大幅な賃金引上げが万が一にも競争力低下につながってはならない」とし、「世界のトヨタ」らしくない弱気の一面も見せました。
日産自動車が月3,500円のベアの方針を示し,経営側はどう回答するか3月12日の回答が注視されます。
電機:大手6社ベアも引上げには差も
一方,電機6社の労働組合が加入する電機連合では、ベア月4,000円を要求。パナソニックが3月4日に8年ぶりにベアを容認したため電機大手6社が揃ってベアが実施される見通しです。ただ、引上げ幅には労使間に大きく隔たりがあり,日立製作所が過去最高の利益を上げる一方,NECは減収減益。3月12日の回答日まで激しい攻防が続くものの、回答額には差が出そうです。
経営側は,円安や構造改革で業績は持ち直すものの、固定費の増加につながるベアには慎重。新興国メーカーとの激しい価格競争も背景にあります。
中小:原材料・燃料コスト上昇のなかベアは・・
大手企業のベア満額回答は、他の業種や中小企業へも大きく影響します。円安による原料・資材コストや燃料費の高騰。さらに4月からは消費税率引上げと中小企業や小規模事業者には、保護する法案がありながらもシワ寄せ対象となるのが実態です。
厚生労働省によると労働組合に加入する組合員は約987万人。4年連続減少し,働く人に占める割合は17.7%と過去最低。企業は、非正規社員やパート社員化を増やし「文句を言えない労働者」が増えているのが現状。アベノミクスが目指す労働者の賃上げ、消費拡大、デフレ脱却のサイクルが実現できるか増税以降の動向が注目されます。
●関連記事:「ベアUPなるか14'春闘!日銀の物価上昇見通し3.3%/ベアUPなければ経済腰折れの可能性」[2014.2.24配信]
[2014.3.11]
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