仮想通貨ビットコイン取引所大手マウントゴックス破綻!闇に潜むハッキングの破壊力
取引全面停止から2日後には民事再生の適用を申請
東京・渋谷に拠点を置くネット上の仮想通貨・ビットコイン取引所大手の「マウントゴックス」は2月26日未明,取引の全面停止を表明。口座を持つ利用者は、資金が取り出せなくなる事態に陥りました。同社は2日後の2月28日、民事再生法の適用を申請,経営破綻しました。
マウントゴックスの会見によると、ハッキング被害を受け顧客のビットコインが盗まれ、114億円が消失したと発表。顧客のビットコインの購入預かり金約28億円もネット上で引き出された可能性があるとしています。同社の顧客は約12万7,000人とほぼ外国人ですが、日本人の全体の1%未満の1,000人とみられ、利用者の動揺は収まりません。
決済での手数料,経費ゼロがメリット
ビットコインは、ネットで流通する電子マネーですが紙幣などは発行されず、流通を管理する国や中央銀行なども存在しません。マウントゴックスのような世界各国の取引所で口座を開設し、ネット上で僅かな手数料を払いビットコインを購入すれば、決済は金融機関を通さないため手数料や経費など発生しないメリットがあります。
現実通貨との交換レートは、為替のように各国の経済情勢などに左右され乱高下も繰り返しますが、ビットコインはショッピングや飲食など利便性の高さが人気。さらに、国境を越えた送金や決済にも利用されています。
取引管理者不要の決済がコスト安へ
ビットコインは、従来の電子マネーと異なり管理者を必要としない当事者同士の通信、決済のため管理コストが格段に格安。これがビットコインの魅力である一方,ネット上での通信は人によっては危ない管理,決済法にも見えるでしょう。
3月4日には、カナダに拠点を置く取引所「フレックスコイン」がハッキングにより60万ドル(約6,100万円)相当のビットコインが消失。サービスを停止したことを発表しました。マウントゴックスの破綻などビットコインへの信頼が懸念されますが、今のところビットコインのシステム自体に問題はありません。
政府:「通貨ではない」公式見解
ビットコインは日本では、金融商品取引法の対象外になっており有価証券や現実通貨とは異なり、金融庁や財務省などの管轄下でもありません。政府は3月5日,マウントゴックス破綻を受けビットコインを「通貨ではない」との公式見解を表明。相場により価格変動する貴金属などと同様の扱いとし、取扱い上のルールを明確化するとしていますが、自己責任には変わりありません。
ビットコインは、世界で流通するシステム上で認められた仮想通貨で現在も機能しています。信用の失墜は少なくはありませんが、かつて社会問題になった詐欺まがいの疑似通貨「円天」と同じ扱いになっては気の毒に思えます。
[2014.3.10]
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