急げ、再生エネルギー開発!スペインでは原発を超え、風力発電が供給トップに/国内で注目高まる「洋上風力発電」
どうなるエネルギー政策/与党内でも強まる「脱原発」意識
東日本大震災の発生以降、電力供給は国民の大きな関心事となっています。投票目前となった東京都知事選においては「原発ゼロ」を公約に掲げる候補者あり。2月1日には、政府与党自民党内で実施したエネルギー政策のアンケート調査でも、回答した約320人のうち約50人が将来は脱原発を目指すべきだと答えたとの報道がありました。
安倍晋三首相も「原発依存度は可能な限り低減させる」方針を示しており、原子力に代わるエネルギー供給の開発が急がれています。
風力発電が原子力発電を超えた/発電量過去最高を記録、電力供給源のトップに:スペイン
スペインでは昨年初めて、風力発電が電力供給源のトップになったことが送電網運営会社:REE社の報告書で明らかになりました。全発電量の21.1%を占め、原子力発電の21%をわずかに上回っています。
同国では温暖化ガスの排出削減とエネルギーの国外依存度を下げることを目的としての再生エネルギーが推進されてきました。実際、両者とも平成20年から減少に転じており、温室効果ガスの排出量は23%削減されたとのこと。現地では「エネルギー新時代の到来」と話題になっています。
また、ポルトガルでも水力発電と風力発電の割合が増えており、昨年の第1四半期には総発電量の70%以上を再生可能エネルギーで賄うことに成功しています。
日本は再生エネルギー後進国?25年度は風力発電の新規稼働15%減
世界風力エネルギー会議の報告書によれば、平成24年の風力発電の総設備容量の1位は中国で7万5,564MW。6万MWのアメリカ、3万1,332MWのドイツに続いて、スペインは2万2,796MWと、4位に入っています。
日本はといえば、1月26日、日本風力発電協会が平成25年度に国内で新たに稼働する風力発電設備が前年度比15%減の7万3,000KW(発電能力ベース)になるとの見通しを発表しました。同協会が統計の公表を始めた平成13年度以降、最低水準となりました。
地の利ならぬ海の利?注目集める洋上風力発電
ただし、日本における風力発電は、24年7月に固定価格買い取り制度が導入されたことにより、導入計画は増加傾向にあります。その一方で、環境アセスメントの手続きに3~4年かかるようになったため、統計上は買い取り制度導入による普及の後押し効果がまだ表れていないとの見方。26年度以降は環境アセスを終えた案件が順次動き出すことから、導入量も増加に転じる見込みです。
また、国土面積の狭い日本で注目されているのが「洋上風力発電」。陸上に比べ建設費は高くつくものの、風を遮る物体が無いため発電効率に優れるとして、各地で環境整備が本格化しています。日本は領海と排他的経済水域(EEZ)を含めた海の広さで世界第6位を誇る海洋大国であるだけに、期待は高まります。
[2014.2.7]
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