アベノミクスで冬のボーナス増額!大企業でも増減の格差、一般企業は「ボーナスなし」が6割超えの実態
平均額80万円大回復、2年ぶりに前年超え
経団連は昨年12月26日、大手企業の冬のボーナスの妥結状況を発表。平均額は前年から3.5%増の81万327円と80万円台を回復し2年ぶりに前年実績を上回りました。11月に発表した第1回の調査では、前年から5.79%増とバブル期末期の平成元年に次ぐ高い伸びをみせましたが、最終集計では電力各社が加わり大幅にボーナスを減らし全体を押し下げました。調査は、原則として東証一部に上場する従業員500人以上、主要21業種大手240社です。
平均してみればボーナスが上昇して見えるものの、増額は大企業でも一部企業に偏り、格差が目立つ結果となっています。
平均では上昇も業種別では増減が明確に
業種別に見ると、アベノミクス効果で自動車が前年から11.8%増と最も改善をみせ、機械金属の7.2%増、セメントの6.89%増と続き、円安や復興ニーズなどが追い風となっています。一方、減少率が高いのは食品の9.9%減、紙・パルプの5.0%減、化学の4.8%減と明暗を分けました。
製造業131社では、平均5.3%増と前年を上回りますが内訳をみると、輸出の多い自動車19社が円安で増加したものの、電機8社は1.2%減と同じ製造業でも偏りが見られます。一方、非製造業28社は、2.4%減と3年連続で前年を下回る結果となっています。
経団連「円安で業績が悪くなった企業もある」
安倍政権は、アベノミクス効果で業績が回復した企業に賃上げを要請するものの、経団連加盟企業全体が要求に応じられるか懸念されます。経団連では、集計結果について「ボーナスは業績を反映したもの。アベノミクスによる円安の影響で業績が悪くなった企業もある」と分析しており、「足並み揃えて賃上げできる状況ではない」と指摘しています。
大企業でもアベノミクスの恩恵を受けられない状況に、中小企業や小規模事業者にボーナス増加の声は聞こえてきそうもありません。今春、賃金のベースアップが注目されます。
マクロミル:冬のボーナス、ネット調査の実態
ネット調査会社のマクロミルが昨年12月に冬のボーナスに関する調査を、同社モニター会員の各年代、男女1,000名に実施。「受給額は?」の問いかけに最も多かったのは「働いていない・受給対象ではない」が54.5%と過半数を超えました。次いで「今冬は受給なし」が12.1%とボーナスが出なかった人は6割を超えました。次いで20〜40万円が6.9%と続き、冬のボーナスの実態が判明しました。さらに受給した対象者へ使い道を問うと、「全て貯蓄・運用」が41.1%と全ての人が消費する理想にはまだ遠いようです。
メディアでは昨年、「冬のボーナス増額」が大々的に報じられましたが、実態はまだアベノミクスの恩恵が全てに波及していないことを浮き彫りにしました。業績が悪ければボーナスは下がるのは当然。国が借金を増やしても公務員にボーナスが出るのとは理由が違います。
[2013.12.31]
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