消費税増税前、住宅着工戸数はピーク、14ケ月連続前年超え!増税後の反動は政策で軽減
5年ぶりに9万戸台に回復
国土交通省は11月29日、10月の新設住宅着工戸数が前年同月比7.1%増の9万226戸とリーマンショック直後の平成20年10月以来、5年ぶりに9万台となったことを発表。前年同月を超えるのは14ケ月連続となりました。
同省では、住宅着工は堅調だったリーマンショック前の水準に戻ったと分析。景気回復期待を背景に消費者心理の改善や、来年の消費税率引上げ前の駆け込みニーズも寄与しました。
持ち家、貸家は着工増加、分譲住宅は半年ぶりにマイナス
内訳では、持ち家が前年同月比17.6%増の3万3,967戸と14ケ月連続、貸家も同3,3%増の3万5,059戸と8ケ月連続前年を上回りました。一方、分譲住宅は、一時的な大規模マンションの着工が減少し同2.7%減の2万502戸と6ケ月ぶりにマイナスとなりました。
新設住宅着工戸数の半分以上を占める持ち家と貸家は、約3ケ月前の契約をもとに着工するため12月までは消費税増税前の駆け込みニーズに影響が出そうです。駆け込みの影響が薄れる年明け以降の反動が注視されます。
住宅ローン減税拡充、現金給付で住宅取得を支援
安倍政権は、来年4月の消費税率引上げにより反動減の懸念から住宅ローン減税の拡充や現金給付など負担軽減策で支援。消費税増税後の反動減は避けられるとの住宅関係者の声も聞かれます。
新設住宅着工戸数は、バブル最盛期には年間166万~168万戸に急増。平成元年4月に初めて消費税3%が導入されても勢いは止まりませんでした。しかし、平成9年には消費税が3%から5%に引上げられ、住宅着工戸数は前年の164万3,266戸から138万7,014戸と大幅に減少しました。
バブル崩壊後、消費税引上げにより2年で44万戸減少
平成9~10年にかけ北海道拓殖銀行や日本長期信用銀行など金融機関が破綻しました。平成10年には住宅着工は119万8,295戸と落ち込み、わずか2年間で27%減の約44万戸減少しました。
安倍政権による住宅取得への負担軽減支援により反動減は抑えられるか、住宅着工戸数はリーマンショック後の落ち込みから緩やかに持ち直しているだけに先行きが懸念されます。今後の先行きについては、雇用・所得環境の推移や被災地の復興状況、建設労働者数の推移、住宅ローン金利の動向などを慎重に見極める必要があります。
[2013.12.6]
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