日銀景況判断2か月「緩やかに回復している」据え置き/同友会、中小への景気押し上げ実感「感じない」が6割
景気停滞?据え置きは2ケ月連続
日銀は11月22日、11月の金融経済月報を公表。現状の景気について「緩やかに回復している」とこれまでの判断を2ケ月連続据え置きました。
輸出は持ち直し傾向にあり、公共投資や住宅投資などは増加を続け先行きでも「緩やかな回復が続く」としています。デフレ脱却に不可欠な個人消費も雇用や所得環境の改善により底堅く推移する予測を示しました。物価の現状では、生鮮食品を除く消費者物価は前年比0%台後半にとどまるものの、予想物価上昇率は全体で上昇するとしました。
中小景況調査、業種や地域で格差
中小企業家同友会全国協議会が10月21日に発表した今年7月~9月期の景況調査によると、中小企業の景気は前期(4月~6月)に続き回復基調にあるものの、業種や地域、規模によって差が見られます。
業況判断DI(「好転」から「悪化」を引いた割合)をみると、建設業は前年同期のプラス12からプラス24と好転するものの、製造業では同マイナス22からプラス1と若干遅れが見られます。また、地域別では、関東や近畿など都市部が伸びず地方で大きく改善が見られます。
来年1月~3月期、中小の業況は停滞!増税後は景気後退が4割強
同協議会では、10月~12月期も改善を予測するものの、来年1月~3月期には業況判断DIはプラス15からプラス14に停滞と見込みます。併せて発表したアベノミクスと消費税引上げの影響に関する調査では、来年4月の増税後に「景気の後退」と答えた企業は43.4%となりました。駆け込みニーズ後の反動による不況懸念が浮き彫りとなりました。
消費税増税発表後、フィナンシャル・タイムズ紙は、英国での増税後の不況の経験から安倍政権の「最初のエラー」と指摘。ウォール・ストリート・ジャーナル紙では、米エコノミストの間で「増税すべきでない」とのコメントを掲載しました。
鉄鋼・非鉄金属製造業や総合工事業でアベノミクス「好影響を感じる」
同調査では、アベノミクスによる中小企業への景気押し上げ実感の有無も聞かれ、952社中、58%の中小企業が「感じていない」と回答。一方、「好影響を感じる」と答えた業種を見ると鉄鋼・非鉄金属製造業や総合工事業(官公需中心)で多く見られ、食料品等製造業や運輸業は少ない結果となりました。
アベノミクス効果は概ね円安や株高などによりもたらせ、株など保有がなければ社会的弱者へお金が回っていないのが実態。デフレ脱却にベースアップを企業へ要求するものの、非正規雇用者は2,000万人を超え過去最高の38.2%と事態は深刻です。
[2013.11.28]
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