IHI、超小型衛星事業へ参入!災害に強い衛星、国から民間へ打ち上げ費用は10億円以下
イプシロンで打ち上げ、費用は従来の5分の1
IHIは平成27年度を目処に高性能の超小型衛星を開発し、国産小型ロケット「イプシロン」で打ち上げる人工衛星事業へ参入する構想を示しました。打ち上げ費用込みの衛星の価格は、従来の5分の1の約10億円以下に設定。これまで国が中心だった衛星事業を国内外の民間企業に広げます。
フィリピンで起きた台風30号の甚大な被害など台風観測や防災関連で新興国などニーズを取り組み、日本の衛星ビジネスの競争力向上を図ります。
衛星技術は50年前の米国からのライブ「ケネディ大統領の暗殺」
今から50年前の11月23日、日本初の衛星テレビ中継が流され、映し出されたのは米国のジョン・F・ケネディ大統領の暗殺のニュースでした。現在のKDDIが茨城衛星通信所を経由しNHKなどの協力により放送。その技術を元に翌年には東京五輪が衛星経由で世界各国に生中継され、日本の衛星技術を世界に示しました。
衛星通信は、今では五輪やワールドカップなど海外からのライブ中継は当たり前となりましたが、飛行機や船などの移動通信や、山間部、離島との通信にも大きな役割を持ち合わせます。
震災で携帯電波途切れ、衛星通信が活躍
東日本大震災では、携帯電話の通信が途切れ車載型の小型衛星基地局に加え、避難所などに超小型基地局を衛星通信で結び携帯電話の利用を可能にしました。KDDIなど通信各社は機転を利かせ臨時で提供し、衛星通信が非常時や災害時に強いことを改めて認識させられました。
フィリピンの被災地では、携帯の電波が入る場所も限られ未だ正確な情報が入ってこない状況。イプシロンロケットの打ち上げコストの低減が追い風となり新興国でのニーズが期待されます。
宇宙ビジネスへの参入増加、米国では宇宙葬も
宇宙関連ビジネスへは、IHIほか通信会社や自動車部品メーカーに加え、ベンチャー企業の参入も目立ちます。米国では、遺灰をロケットで宇宙へ運ぶ宇宙葬などユニークなサービスも始まっています。GPS(全地球測位システム)の日本版、誤差1m以内の「準天頂衛星」の産業利用も宇宙ビジネスのすそ野を広げそうです。
台風や地震、暴風、洪水、竜巻など自然災害の発生件数は、この10年で2倍ずつ増加しており、今世紀13年間で世界の被災者は27億人に及ぶなど、新たな衛星ビジネスの役割が待ち望まれます。
●関連記事:「イプシロン打ち上げ今度は成功!商業衛星市場参入へ、JAXAに出来るかコスト削減」[2013.9.19配信]
[2013.11.16]
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