リッツカールトン、阪神阪急ホテルズ、高島屋、三越、そごう:食材虚偽表示問題の解決の道は?
「今のうちにウチも」?続々と食材虚偽の公表
食材の虚偽表示問題は、10月22日に阪神阪急ホテルズが公表以来、全国のホテルや旅館、百貨店、飲食店などへ広がりをみせ「今のうちにウチも」と連日公表され、報道を賑わせています。消費者目線で違法を監視する消費者庁は11月11日、ようやく腰を上げ大阪新阪急ホテルと系列のザ・リッツ・カールトン大阪へ初めて立入検査を実施。仕入れ記録や帳簿を確認し、メニューと照合するなど裏付け作業を行いました。景品表示法違反に当たると判断すれば再発防止を求める措置命令が出されます。
公表後、初の週末、客足鈍る百貨店レストラン
主要百貨店では食材の虚偽表示発覚後、初の週末となった9~10日、一部のレストランなどで客足が鈍る動きが見られます。高島屋日本橋店のレストランでは前年同期から約4%減。そごう・西武でもレストランや食品売場で売上が1.8%減。通常見られる減り方としながらも、年末商戦を迎えたタイミングで百貨店業界は信頼回復に焦りを感じさせます。
これまで誰しも疑わなかった「食の信頼」は、納品供給する側の判断があったともとれるものの、裏切った代償も甘くはありません。
無くならない虚偽表示:H13雪印食品牛肉産地偽装、H19不二家・赤福・「白い恋人」、H23船場吉兆
平成13年には、BSE(牛海綿状脳症)問題で、便乗した雪印食品が牛肉の産地偽装で信用を失い解散。その後も平成19年には不二家や「白い恋人」で有名な石屋製菓、赤福など老舗メーカーの偽装が相次ぎました。最近では、高級料亭の船場吉兆がずさんな食材の扱いで破産に追い込まれました。
消費者を馬鹿にし、法令を守らないコンプライアンス違反は、企業のイメージを損なうだけでなく経営破綻や経営者の逮捕にまで及ぶ重い代償が待ち受けます。
JAS法改正も甘い処分?後を経たない偽装
農林水産省では平成21年1月、相次ぐ食品偽装を受け品質表示の適正化を担うJAS法の運用指針を改正。これまで自治体から公表されなかった分を含め、食材の虚偽表示で行政処分を受けた業者を公表するものの、業績不振やコンプライアンスの意識不徹底など虚偽表示は後を絶ちません。
今後、消費者の食に対する目は一層厳しくなります。失った信用を取り戻すにはそう簡単なことではなく、これからの企業の努力と反省、対応により消費者が判断することでしょう。
[2013.11.14]
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