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旧武富士、グレーゾーン金利納税分の税金返還訴訟を地裁は棄却!利益は遡れないが、過払い金は遡れるの怪?

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払いすぎたグレーゾーン金利分の法人税、認められず
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会社更生手続き中の消費者金融大手・旧武富士のTFKは、利息制限法の上限を超えるグレーゾーン金利で貸出した利益に対し払いすぎた法人税の返還を求めた訴訟で、東京地裁は10月30日、TFKの請求を棄却しました。
最高裁は平成18年、グレーゾーン金利を無効と判断。武富士へは、利息の返還請求が相次いだため平成22年9月に経営破綻しました。TFKは同日、本判決に対する控訴など今後の対応については検討中としています。

東京地裁:「利益は次年度以降、無効となっても遡って変更できない」
TFKは、平成9年4月から22年3月分の法人税約4,700億円を納付。TFKの管財人は、国に約2,374億円の返還を求めましたが東京地裁は請求を棄却。法人税は、事業年度ごとに確定するためグレーゾーン金利で得た利益が次年度以降に無効となっても遡って税額を変更することはできないと判断しました。
消費者金融業界では、利息をとりすぎた過払い金返還訴訟が相次いでおり、多く納税した分も返還されず経営が行き詰まるケースが多く見られます。

貸金業者、ピークの4.7万社から1.2千社に激減
日本貸金業協会が10月23日発表した月次統計資料によると、協会員数は8月末時点で1,282社と前月から9社減少。バブル絶頂期のピーク、昭和61年の4万7,504社から激減しました。膨大な過払い金返還請求は消費者金融を破綻に追い込みました。
8月の貸付額では2,112億1,000万円と前年同月比2.1%増。契約数でも81万3,084件と同10.1%増。資金ニーズは高まっています。

2つの法を放置?消費者金融が責任をとる結果に
過払い金の請求は、利息制限法で定める15%〜20%より、出資法で定めた上限金利29.2%の方が高いことが要因で発生しました。グレーゾーン金利は、最高裁の判決により限りなく「黒」に近い金利となり返還請求が相次ぎました。国は、2つの法を放置し企業だけに責任をとらせ、消費者金融が犠牲になったともとれます。
TFKの払いすぎた税金は遡り認められず、過払い金だけが過去に遡って返還されるなど賛否両論はあるものの、今後のTFKの動きが注視されます。

[2013.11.6]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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