LCC就航から1年で明暗/ピーチ独走、ジェットスター低迷、エアアジアは解体、リゾート路線で出直し
ピーチ:年末までに累計登場者数400万人に
LCC(Low-Cost Carrier:格安航空会社)元年と言われた昨年から1年以上が経ち、国内市場に参入したLCC3社の明暗が分かれています。
関西空港を拠点とし今月には、成田空港にも就航。首都圏の新たな顧客獲得を狙うピーチ・アビエーションは、今年9月に累計搭乗者数が300万人を突破。年末までには400万人を目指すとしています。昨年3月から1年間の売上高は143億円と機体が多いジェットスター・ジャパンを上回り営業赤字も9億円にとどまりました。
ジェットスター:意志決定の遅れ?赤字は88億円に
そのジェトスター・ジャパンは、今年6月期の決算で売上高は128億円、最終赤字は88億円と厳しい営業が続いています。JAL傘下と報じられますが実際には豪カンタス航空グループや三菱商事、東京センチュリーリースも出資。4社集まれば経営の意志決定も遅くなり赤字が増加。今年2月には、2度目の増資を経て資本金は120億円になったものの、体制が変わらなければ厳しい状況が続くとみられます。
エアアジア:エアアジア(シンガポール)とANAとの合併事業を解消、バニラ・エアで再スタート
一方、エアアジア・ジャパンは、提携先のエアアジア(シンガポール)の更なるコスト削減の要求についていけず、今年6月にエアアジア(シンガポール)とANAとの合併事業を解消。ANAがエアアジアの保有株式を引き取り、エアアジア・ジャパンは、ANAの完全子会社となりました。11月1日は社名をバニラ・エアとし再スタートしました。
エアアジア・ジャパンはジェットスター同様、成田空港が拠点。都心から遠く、門限もあり利用率は低迷。最終赤字は36億円とバニラ・エアとなって巻き返しを狙います。
バニラ・エア:リゾート路線で新たな顧客獲得へ
LCC元年から1年が過ぎピーチ独走、ジェットスター低迷、エアアジア解体と関西空港を拠点としたピーチに軍配が上がりました。エアアジアは、11月1日からはバニラ・エアに生まれ変わり12月20日から沖縄、台北便が就航。さらに来年1月からは札幌、3月からソウル便も加わりリゾート路線色を出し巻き返しを狙います。
LCCによるニーズ21%/LCCアンケート
国土交通省の航空分野の有識者部会で公表したLCCアンケート調査によると、年齢別の搭乗率割合では男女ともに20代がトップで30代が続きます。LCCがなかった場合の移動手段では「移動していない」が21%と、LCCによる新たなニーズを創出できたことになりました。
[2013.11.4]
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