商工中金、月次景況観測:指数「好転」鉄鋼・飲食・宿泊/電気・一般機械は「悪化」
6年7ケ月ぶりに50.0ポイントを超え「好転へ」
商工中金は10月29日、10月の中小企業月次景況観測を発表。景況感の「好転」「悪化」を判断する景況判断指数は、50.8と前月から1.0ポイント改善され平成19年3月以来、6年7ケ月ぶりに50.0を超えました。
先行きでは11月も50.0を超える見込みがあるものの、原材料価格の上昇などに直面する製造業では鈍化が予測されます。10月の製造業では2ケ月連続で50.0を超え50.9。非製造業は前月から1.4改善し50.7と50.0を超えました。
鉄鋼や飲食・宿泊業で景況感が「好転」
業種別では、鉄鋼が前月から6.0上昇し56.0に大幅改善。住宅建設や公共事業、自動車生産の拡大など消費増税前の駆け込みニーズも牽引しました。非製造業では、国内外の旅行客の増加により飲食・宿泊業が同5.0改善し8月の59.0までには届かないものの、53.0まで回復しています。
アベノミクス効果により大企業では業績、収益回復が報じられるなか、緩やかであるものの回復基調にある中小企業の景況感が力強いものになるか注視されます。
電気機械、一般機械は「悪化」
一方、悪化が見られているのは前月から7.0減の電気機械や3.0減少する一般機械。悪化と答えた企業では製造業で前月の40社から39社と横ばいの一方、非製造業では28社から36社と明暗が分かれます。全体的な景況感は改善されるものの業種や地域によって差がありそうです。
中小企業家同友会全国協議会の今年7月~9月の景況調査によると、地域別では関東と近畿で前期からほぼ横ばいとなる一方、地方では大きな改善が見られます。都市部での非製造業の中小企業の回復が遅れています。
アベノミクスの景気押し上げ「感じていない」中小は6割
同調査では、アベノミクスによる中小企業の景気押し上げ実感の有無も問い、有効回答952社の58%が「感じていない」と回答。自社の業績に対しても「影響なし」が53%と依然厳しい状況です。
業種別ではアベノミクスに「好影響を感じる」と答えたのは鉄鋼・非鉄金属製造業や総合工事業で多かったものの、食料品など製造業や燃料高騰の運輸業は少ないまま。中小企業の景況感は、業種や地域でかなりの格差が生じているなど問題てんも浮き彫りになりました。
[2013.11.2]
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