「和食」世界無形遺産登録なるか/「『自然の尊重』精神」評価、日本食ブーム再来は1次産業にもビジネスチャンス
「和食」が世界遺産に!
日本が世界に誇る文化は数多くありますが、この度、「和食」が世界遺産として登録される見通しが出てきました。
政府は10月22日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に提案していた「和食 日本人の伝統的な食文化」について、事前審査を担う補助機関が21日付けで新規登録を求める「記載」の勧告をしたと発表。文化庁によると、過去の事前審査で記載勧告された提案が覆されたケースはなく、12月上旬にアゼルバイジャンで開かれる政府間委員会で正式に登録される見込みとのことです。
韓国「キムチ文化」と共に無形文化遺産登録
ユネスコの世界遺産は、歴史的建造物や遺跡などの「文化遺産」や、貴重でゆたかな自然を選ぶ「自然遺産」が有名です。今回「和食」の登録を見込む「無形文化遺産」は、人から人へと伝えられてきた祭りやものづくりの技術、口承伝統などの無形のものを保護対象とし、平成15年に創設されました。これまで世界全体で232件登録されており、日本からは、京都の祇園祭の山鉾行事や茨城の織物の結城紬など、20件がリスト入りを果たしています。
食の分野では平成22年に初めて、「フランスの美食術」「地中海料理」「メキシコの伝統料理」の3つが入り、23年には「トルコのケシケキ(麦がゆ)の伝統」が加わりました。
今回記載勧告を受けた23件のうち、食と関係する無形遺産として、「和食」と共に韓国が提案していた「キムチ文化」の登録も求めた。
原発風評被害乗り越え、復興の象徴に
和食は、京都の料理人らが組織するNPO法人「日本料理アカデミー」が提言したのがきっかけで、政府が昨年3月に登録を提案。「『自然の尊重』という精神を表現している『社会的慣習』」として推薦しました。
東京電力福島第1原子力発電所事故で懸念される日本食や食材への風評被害を乗り越え、東日本大震災の復興の象徴として登録をアピールする方針です。
「自然の尊重」精神:日本食ブーム再来は1次産業にもビジネスチャンス?
6月の「富士山」に続く「和食」の世界遺産登録は、喜ばしい限り。折しも、東京オリンピックの開催決定直後ということも相まって、日本の注目度は急上昇しています。
ヘルシーな日本食が世界各国でブームとなって久しいものですが、誇るべきはその食文化にとどまりません。先日「日本料理店がフランス進出」という内容の特集番組を見ていたところ、「同じ魚でも現地で獲れた魚は刺身に向かない」とか。魚の絞め方が違うため生臭さが残り、生食には適さないそうなのです。
魚に限らず、多様な食材を新鮮なまま味わうためには、様々な技術が必要ということでしょう。「和食」ブームの再来と共に、日本の漁業や農業の技術輸出にもビジネスチャンスがあるかもしれません。
[2013.10.26]
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