目利き融資「半沢直樹」効果!?金融庁、金融機関への「監督・検査方針」転換!金融処分庁から金融育成庁へ
中小・地域金融機関向け指針:中小へ積極的な金融仲介の発揮
金融庁は9月6日、「平成25年事務年度監督方針及び金融モニタリング基本方針等について」を発表。金融庁は、金融機関に向けに「このような部分を重点的にみていきます」、なので「こうしていきましょう」と宣言したものです。
中小・地域金融機関向け監督方針では、中小企業の経営支援など積極的な金融仲介機能の発揮や地域の金融システムの安定、顧客保護と利用者の利便性の向上を重要分野に捉えています。詳細を見ると金融機関は、リスク管理化のもと中小企業向け融資など目利き能力や成長分野へ積極的に資金供給を行うとともに、企業の経営改善や財務強化など支援を促したものです。
技術、アイデアありながら資金不足の企業を支援
麻生金融相は、9月13日の会見で「監督・検査方針」について、成長企業に融資を拡大する方針に転換したことは「デフレ脱却には金融面のサポートが大きな課題となる」と強調。技術やアイディア、独自のサービスなどがありながら、資金不足で水面下に沈む潜在する企業を積極的に支援する方針です。最後には「金融処分庁から金融育成庁に転換しなければいけない」とコメントしました。
100年に一度の金融危機と言われたリーマン・ショックから9月15日で5年。東日本大震災による被災地の復興格差の懸念は残るものの、アベノミクス効果やオリンピック・パラリンピック招致成功で景気回復期待は膨らんだ今こそ、日本経済復活のチャンスと言えそうです。
独自技術で生き延びる中小企業、架空でも現実味が
TBS系列でバンカーを描いたテレビドラマ「半沢直樹」が、テレビ視聴率不振のなか異例の30%超えの人気です。横並びの日本人体質に突出した主人公が目利きを効かせ独自の技術を持つ企業へ融資。企業を再生するなど架空ではあるものの、空洞化する産業のなかで独自技術で生き延びる中小企業をうまく描いています。
金融庁の検査では、頭取はじめ役員全員で出迎えるなど金融機関にとっての金融庁の存在を知らしめました。今回の監督・検査方針の転換では、金融庁の職員も見ているかと思えるほどの指針も見られます。
金融庁:金融機関の自主的な判断で融資、企業支援
「モニタリング手法の見直しと課題」では11項目が掲げられ、金融機関の負担を軽減するとともに自主的な判断や監査を尊重するとしています。規制にとらわれた対応でなく、金融機関の自主的な判断で融資や経営支援を促すとの方針です。
金融庁は、これまで甘い審査による不良債権増加を防ぐ目的にした方針を、平成10年発足した金融監督庁時代から貫いてきましたがこれを転換。今は赤字でも成長性の企業へは積極的に資金供給を促します。企業を育てることを金融機関への監督方針とし、金融機関では真のバンカー魂を発揮し、中小企業向け融資拡大が図られるか注目されます。
[2013.9.18]
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