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ILC(リニアコライダー)候補地は北上山地に決定!、新たな分野の「科学技術立国」目指す

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ILC国内候補に北上山地が選出
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ニュースでは2020年に開催されるオリンピックの東京誘致が熱く報道されていますが、その裏でもうひとつ、誘致が大詰めを迎えている計画があります。
超大型加速器・国際リニアコライダー(ILC)の国内候補に、岩手県の北上山地が選ばれました。以前もお伝えしましたが、「ヒッグス粒子に続く」とも言われる未知の素粒子を探すために直線状の巨大加速器で電子と陽電子の衝突実験を行う国際共同実験施設です。

新たな分野の「科学技術立国」目指す
施設や装置の開発では日本の最先端の技術力を発揮でき、産業振興の起爆剤になることも期待されるILC計画。日本が新たな「科学技術立国」を目指す契機となることが期待されています。

直線50kmの予定地確保/安全性・コスト面など評価
ILCを巡っては、日本をはじめ、スイス、アメリカ、ロシアの世界4か国が候補地とされ、日本では、福岡県と佐賀県にまたがる「脊振山地」と、岩手県の「北上山地」の2か所が名乗りを上げていました。研究者組織ILC戦略会議は8月23日、ILC誘致候補地に北上山地を強く推すとの結論を発表。
理由の主なものは、直線距離を十分に確保できるか否かなどといった、立地的な条件によります。具体的には、北上山地は地下施設建設のために直線50kmを確保したとしても、その上に大きな施設などがほとんど無く、地盤も花崗岩地域がほぼ全域を占めているとのこと。また、もっとも密接した断層も、建設予定ルートから20km離れた場所にあるだけ、などの点を総合して、安定性が高いと評価されました。

国内候補≒世界の最有力候補!
大都市に近い脊振に北上が劣ると懸念されていたのは、外国人受け入れなどの環境でした。社会環境基盤評価(居住性など)は、北上も「課題解決すれば優れた環境になる」と大差にはなりませんでした。
北上山地が選ばれた意義は、単なる国内の候補一本化にとどまりません。日本以上にILC誘致に前向きな国は無く、北上が世界の最有力候補になったことを意味します。誘致活動を次の段階へと進めるための大きな一歩と言えるでしょう。

兆単位コストに政府は慎重姿勢/オールジャパンで誘致取り組みを
もっとも日本政府は誘致を決断してはおらず、今回の選定結果を「参考」とし、誘致の是非や候補地をあらためて判断するとのこと。 総額1兆円超という巨額の試算が出ているため、政府は誘致に慎重な姿勢を崩してはいません。
実現すれば日本では初めて国際共同研究の拠点となりますが、今後は東京オリンピック誘致のように、オールジャパンでの誘致活動が不可欠となります。日本政府に対しては誘致判断の前段として、ILCを科学技術政策に位置づける調査研究への積極関与を求めたいものです。


[2013.9.10]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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