都心オフィス空室率が3年半ぶりの低水準!全国的に空室率改善も賃料は下落傾向
都心5区空室率8.29%、企業の移転・拡張が堅調
オフィス仲介の三鬼商事は、7月末時点の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率が8.29%と2ケ月ぶりに改善したことを発表。大型の解約が少なかったほか、企業など移転・拡張する動きは堅調で平成22年1月以来、3年半ぶりの低水準となりました。
都心5区のオフィス平均賃料は、坪当たり1万6,310円と前月から0.41%下落。下落は13ケ月連続です。オフィスニーズは高まりつつあるものの、賃料の上昇には未だ繋がっていないのが実態です。
賃料上昇には空室率5%
東京都心5区の空室率は、平成20年のリーマンショック以降、大幅に上昇。昨年半ばから低下傾向にあるものの、平均募集賃料は下落傾向にあります。この先、賃料の下げ止めには空室率5%が一つの目安とされていますが、景気の現状や先行きの予測、物価上昇率などが注視されます。
内閣府が8月6日に公表した6月の景気動向指数は、景気の現状を示す「一致指数」は7ケ月ぶりに下落。景気の先行きを示す「先行指数」も下落傾向です。内閣府では一時的な下落と見ており、生産の持ち直しなど景気の上向きには変わらないとしています。
大阪6区、4ケ月連続改善
一方、大阪市中心部6区(梅田、淀屋橋、本町、心斎橋、難波など)のオフィス空室率は、10.65%と東京都心より高いものの4ケ月連続して改善しています。しかし、平均賃料は坪当たり1万1,280円と6ケ月連続して下落し、過去最低を更新しました。名古屋ビジネス区でも、楽天の人員増に伴う新拠点のオフィス面積2倍など10.02%と改善しています。
オフィス空室率の低下は地方でも鮮明に表れ、福岡市では11.3%と前月から0.15%改善。仙台では、コンビニエンスストアの積極出店が目立ち、13.0%とこの1年で1.78%低下。4年7ケ月ぶりの低水準に回復してきました。
新規ビルの供給は減少傾向
今年、東京都心の新規ビルの供給量は昨年の約半分にとどまる見通しです。大阪や仙台でも大型のオフィスビル供給の予定はなく供給減が続きます。景気回復への先行き期待から企業など新規出店や、オフィス面積の拡張などの動きも目立ってきており賃料上昇の動きも予測されます。賃料の下落は続くものの、供給の減少や過去のデータから賃料は空室率より遅れて回復するでしょう。
オフィス空室率は、全国的に改善傾向にある一方、慢性的な空室を抱える物件も目立ち、オフィス市場にも二極化が進んでいます。
●関連記事:「「オフィス2012年問題」が現実に!空室率2ケ月連続過去最高!物流賃貸施設は供給不足」[2012.7.13配信]
[2013.8.13]
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