日本初クルーズトレイン「ななつ星」、10月からの運行の専用機関車公開!「九州」のブランディングに貢献
古代漆をイメージした赤い外観は見えずじまい
今年10月15日から運行を開始するJR九州の豪華寝台列車クルーズトレイン「ななつ星in九州」の客車をけん引するディーゼル機関車は、6月2日に神戸の川崎重工業で完成。傷がつかないように古代漆をイメージした赤い外観は見えずじまいですが、レトロな車体の形は見て取れ、多くの鉄道ファンに見守られ大分車両センターへ向け出発しました。
7両編成の客車は現在、山口・下松市と北九州市の日立製作所の製造しておりJR九州では、機関車、客車一緒にお披露目するとしていますが時期は未定としています。
重量重い「ななつ星」代走列車で運行ルートを試験走行
JR九州は6月2日、「ななつ星」の運行ルートとなる久大線などで線路や橋脚の状況を確認するための試験走行を実施。「ななつ星」の機関車や客車は、騒音や振動を抑えるための工夫がなされ、在来線の列車より重量が重くなっています。そのため「ななつ星」の重さを再現するために、九州各地から機関車2両と自走可能な客車・気動車6両を集結。色も形もばらばらな代走列車が編成され、線路や橋脚など設備への影響を慎重に確認しました。乗車料金問わず、鉄道安全への配慮の徹底は日本の鉄道ならではで、中国のものまね新幹線では考えもつかないでしょう。
第3期の予約開始、倍率1期は7.2倍、2期は9.6倍と難関!
7月1日からは、来年4月~6月出発分の第3期「ななつ星」の予約受付が開始され、8月31日まで受け付けられます。第1期の倍率は7.2倍、第2期では9.6倍と機関車の完成、お披露目されれば第3期も群を抜く人気となりそうです。JR九州では、一部の出発日については第1期・2期のいづれかに申込み当選しなかった人を優先するとの配慮も見せています。
同社は、専用ウェブサイトにて英語の申込みフォームも新たに開設し、外国人専用枠も設けられました。旅行詳細に付いてはパンフレットを確認する必要があり同サイトからも請求が可能です。
▼JR九州:「ななつ星 in 九州」専用ウェブサイト
乗客定員は30人、それでも九州の!?
「ななつ星」の運行による九州への経済効果は、直接的には限られてしまいます。最高額で2人110万円の料金は、九州の観光名所をのんびり回りながら周遊するものの、定員は30名。週に2回、年間100回運行しても最大で3,000人の乗客しか九州に呼び込むことができません。しかし、それ以上に「九州」ブランディングへの貢献度は高く、すでに海外からは日本版オリエント急行と注目され、JR九州でも積極的な海外プロモーションに乗り出しています。何よりも口コミは知名度を上げブランディングに貢献します。
いよいよ10月から日本初のクルーズトレインがお目見えします。豪華な内装にゆったりした客室、騒音、振動も少ない客車や日本ならではのクルーのおもてなし。立ち寄る観光地など公のプロモーションにとどまらず、動画配信サイトなど活用し海外へ発信することにより経済波及効果は自然と後追いしてくるでしょう。
●関連記事:「JR西、世界遺産巡る豪華寝台の投入検討!のんびり旅ニーズで、九州「ななつ星」倍率は87倍」[2013.5.9配信]
●関連記事:「日本初!JR九州クルーズトレイン「ななつ星」人気、競争率は7倍!九州版オリエント急行で欧州客を獲得」[2013.2.7配信]
[2013.7.8]
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