一般医薬品ネット販売解禁!高リスクのOTC・劇薬25品目は先送り
日本再興戦略に一般医薬品ネット販売解禁
安倍首相は6月5日、成長戦略第3弾で「国民の健康寿命の延伸」の1つの施策として、ネットによる一般医薬品の販売を解禁することを宣言。14日に「日本再興戦略」に盛り込み閣議決定しました。
成長戦略では、一般医薬品のネット販売を正式に認めるものの、消費者の安全性を確保し、適切なルールの元で行う原則を付記。副作用リスクの高い医薬品25品目については成分や用量、副作用状況などの観点から専門家による検討を重ね、今秋までに結論を得るとしました。
厚生労働省:25品目、安全に販売できるか検討
高リスクとされた25品目は、医療用に使う有効成分を転用したスイッチOTC(Over The Counter)のうち承認4年以内の21品目と、劇薬指定されている4品目。厚生労働省では今後、どのように安全性を保ち販売できるかを検討し、危険と判断すれば市販薬の承認を取り消す方針を示します。
<ネット販売が先送りとなった25品目>
鼻炎用薬:アレグラFX、コンタック鼻炎Z、アレギサール鼻炎、アレジオン10、コンタック鼻炎スプレー、ナザールAR、パブロン点鼻クイック、アイフリーコーワAL、ストナリニ・ガード、ナシビンMスプレー
生理痛用薬:エルペインコーワ
解熱鎮痛薬:ロキソニンS、ナロンメディカル
口唇ヘルペス用薬:アラセナS
腟カンジダ用薬:フェミニーナ腟カンジダ錠、オキナゾールL100、エンペシドL
発毛剤:リアップX5
胃腸薬:イノセアバランス
中性脂肪異常改善薬:エパデールT、エパアルテ
勃起障害等改善薬:ガラナポーン、ハンビロン、ストルピンMカプセル、マヤ金蛇精
規制強化で市場は停滞気味
一般医薬品市場は約6,000億円と見込まれ、スイッチOTCのほか禁煙補助役や肥満防止剤などニーズが高まっています。しかし、平成21年の改正薬事法施行以降は、リスクの高い医薬品を中心に店頭販売での規制が強化され停滞気味です。
ネット販売の全面解禁により市場の活性化が期待され、スイッチOTCなどの促進により通院や入院が減少。生活習慣病などの予防にもなり、国民医療費の増加の抑制効果も期待されます。
25品目のネット販売、テレビ電話で対応?先行き不透明
一般薬品のネット解禁を巡り、ドラッグストア業界や薬剤師会とネット販売業者とは真っ向から対立。正式に認められたものの残り25品目解禁についてのルールづくりは波乱状況です。五感を生かせる対面販売やテレビ電話などでの対応など業界団体が訴えれば、それでは規制緩和の意味はないと主張するネット業界。先行きはまだまだ不透明です。
規制改革の目玉として解禁された医薬品のネット販売。ドラッグストアはもとよりオフィス用品のアスクルも参入するなど販売競争がすでに始まり利用者には便利となりますが、服用にはくれぐれも自己責任の再認識が必要です。
[2013.6.28]
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