気仙沼、石巻に県主導で生コンプラント!/被災地で事業組合の設立増
気仙沼と石巻に県主導で生コン工場、復興需要に対応
宮城県は5月に開催した「復旧・復興事業の施工確保に関する連絡協議会」会合で、気仙沼と石巻の両地区で生コンの仮設プラントを整備することを明らかにしました。東日本大震災からの復旧が急がれる沿岸部において、既存プラントだけでは今後の復興事業で必要となる生コンを賄えないと判断し、県の事業向けに供給可能量を増やす考えです。
公共プラントについては、国土交通省が3月に岩手県の宮古と釜石の両地区で、三陸沿岸道路工事向けに新設する方針を示していました。今後、国主導のプラントとは別に、宮城県が主導して仮設プラントを建設することとなります。気仙沼と石巻の両地区の生コン供給可能量を、平成27年度までの3年間でそれぞれ計36万m3上積みする計画です。
2基の仮設プラント、各12万㎥/年を充当
気仙沼地区の生コン需要量は、26年度に約90万m3になると見込まれます。一方、既存プラントの供給可能量は54万㎥にとどまり、大幅な不足が予測されています。25~27年度の3年間の需要量を調整して各年度均等にしても、1年当たり約66万㎥の生コンが必要となる計算ですが、不足する約12万㎥を仮設プラントで補う考えです。
石巻地区も同様。25~27年度の年平均の需要量約85万㎥と既存プラントの1年当たりの供給可能量約74万㎥との差、約12万㎥の生コンを仮設プラントで充当します。
海運施設拡充など、さらなる対応策明示:国交省
復旧・復興事業での生コン不足に対しては、これまでにも国や自治体、生コン工業組合などが対策を施してきました。これまでに6基のプラントを新設し、仮設プラント2基とミキサー船8基を稼働させることで、生コンの供給可能量を1カ月当たりで計約3万7,000㎥増やしています。
骨材となる砂の不足に対しても、1カ月当たりで生コン約11万6,000㎥分の砂を、船で地域外から運び込んで対応している状況。先の連絡協議会では、宮城県が報告した県主導の仮設プラントのほかに、国交省がさらなる対応策を示しました。今後、海運で調達する砂の荷揚げ施設やストックヤードを拡充したり、生コン製造プラントの増設を民間に働きかけたりする方針とのことです。
被災地で事業組合続々/協業でリスク減、市場開拓も期待
復旧、復興が急がれるなか、被災地では中小企業などによる協同組合や企業組合の設立が増加しているとのこと。事業を共同化することで投資リスクを軽減したり、公的補助や大規模な復興需要の受け皿になったりする狙いがあります。
建設関連では気仙沼地区に拠点を置く生コンクリートの卸4社が、昨年10月に卸商協同組合を設立し、地域外の建設業者に復旧工事を仲介、工事受注後に生コン供給を行っています。震災前までライバル関係にあった事業体が、地域経済再生に向けて歩調を合わせつつあるだけでなく、新たな市場の開拓につながることも期待できるのではないでしょうか。
[2013.6.15]
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