整備新幹線(北海道・北陸・九州)国交省へ工期短縮要請!財政確保と技術開発、規制緩和が鍵
18都道府県、工期短縮と財政負担軽減を要請
整備新幹線関係の自治体で構成する18都道府県期成同盟会は5月23日、国土交通省に対し北陸新幹線など3区間の工期短縮と、地方の財政負担軽減を要請しました。
整備新幹線は現在、九州・長崎ルートの武雄温泉・長崎間(66km)が平成33年頃、北陸の長野・金沢・敦賀間(353km)が平成37年頃、北海道の青森・新函館・札幌間(361km)が平成47年頃の開業を目指しています。北海道新幹線の青森・新函館間は平成27年度に開業予定で本州側の中間駅となる奥津軽駅(仮称)の安全祈願が今年6月に行われ同駅の工事が本格化します。
鉄道・運輸機構:フリーゲージトレインで在来線と直通運転
鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が発表した今年度の鉄道建設の事業概要によると、総額は3,182億円と前年度からは649億円減少するものの、整備新幹線の工事は引き続き継続としています。このうち新幹線の建設事業には2,688億円が計上され、新幹線と在来線の直通運転を可能にするフリーゲージトレイン(軌間可変電車)などの開発も進められます。
鉄道・運輸機構によると日本の鉄道の線路の幅(ゲージ:軌間)は3種あり新幹線は1,435mmと最も広く、京浜急行や阪神電鉄も同様です。一方、JRの在来線は1,067mmと最も狭く新幹線との直通運転には、地上に設置した軌間変換装置上で自力で通過することによりレール幅に合わせ自動的に変換させる技術により試験走行しています。
整備新幹線推進PT:開業に20年以上かかるのは認可の問題?
自民・公明党の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームは5月16日、整備新幹線3区間の工期短縮を目指し事業費増額に向けた財源についての協議を始動。初会合では、開業までに20年以上もかかることを前提にしている今の認可の在り方や財源確保、技術開発によりどこまで短縮できるか検討されます。7月の参院選後には本格的な議論を始め、来年度の予算編成に反映させるとしています。
国や地方は厳しい財源情勢に、アベノミクスの機動力ある財政出動で工期短縮、技術開発なるか整備新幹線の工事は進んでいます。
整備新幹線開業で日本の中心にネットワーク形成、人の流れを創出
これまで新幹線事業は、太平洋側を中心に整備など投資が行われ三大都市圏の利便性を高めてきました。北海道や北陸から大阪、九州が繋がることで日本列島の中心にネットワークが形成。あらゆる方面から人の流れを生み出し、地震や災害など相互補完機能も強化されます。
平成23年3月に全線開通した九州新幹線の利用客は、開業前の在来線特急の約1.4〜1.7倍に増加。地域の経済に波及効果をもたらしただけでなく、韓国や台湾などからの観光客も集客しました。財源確保と先端鉄道技術の開発、さらに規制緩和が整備新幹線の工期短縮の鍵となりそうです。
●関連記事:「北海道新幹線、函館まで最後のトンネル貫通!課題残る青函トンネル内でのスピードダウン」[2012.10.31配信]
[2013.5.31]
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