米連邦航空局、新型リチウムイオンバッテリー改修を承認!ボーイング787運行再開へ
ANA、JALとも新型バッテリー装着作業を開始
FAA(Federal Aviation Administration:米連邦航空局)は4月22日、ボーイング787の改修を承認し運転再開を許可しました。ANAは23日、国内4空港で787に新型リチウムイオンバッテリー装着のための作業を開始。5月中には全17機全てのの改修を終え、特定路線で試験飛行を行った後、6月からの運行再開を目指します。
一方、JALでも国内3空港に駐機する全7機の改修を始め、改修後には機体の全般的な安全確認に1週間かけ、6月1日に営業運行を開始する意向を示しました。
ボーイング社、運行停止の損失は6億ドル
ボーイング787は、リチウムイオンバッテリーの過熱問題から今年1月から運行を停止。運行停止によるボーイング社の損失は6億ドルに上ると見られています。
運行再開に向けた作業が進むなか、改良前のトラブルについて原因は未だ明らかになっていません。同社では、あらゆる仮定を検証し原因の可能性を追求したものの、本当の原因は特定できない可能性もあるとしています。発煙事故の原因は特定されず、運行再開に踏み切り利用客の787離れも懸念されます。
国土交通省、運行再開のタイミングはFAAに同調
FAAが改修計画を承認したことを受け、国土交通省でもボーイング787の申請を認める公算が大きく、欧州の航空当局報道官も承認の見通しを示しています。太田国土交通相は4月23日、787の運行再開についてFAAと歩調を合わせ、再開のタイミングは基本的に同じ姿勢をみせます。
国土交通省はANA、JALと連携し日本独自の安全確保策を検討。新型バッテリーの地上でのデータ取得による監視体制や、定期点検の頻度を増やすなど安全性をより一層高めます。
リチウムイオン、電池業界には逆風?
ボーイング787は、日米共同開発の機体で、日本の機体構造シェアは約35%。エンジンが2基にも関わらず、乗客一人当たりの運行コストは超大型機並みと、競争激化の航空業界にとってまさに夢の次世代機「ドリームライナー」と呼ばれますが、リチウムイオン電池の熱暴走だけが事実として残され業界には逆風となりました。
リチウムイオン電池は、ソニーが平成3年に世界で初めて商品化した国産技術。平成18年にはノートパソコンの発火事故や異常過熱で大規模な回収に追い込まれただけに、日本独自の安全基準を確保し787の運行再開が望まれます。
●関連記事:「運行再開まであと数週間!トラブル続くB787機・ボーイング社「出火要因は排除、100%安全」」[2013.3.20配信]
[2013.4.26]
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