国際レコード産業連盟レポート:世界の音楽売上、13年ぶりプラス/AKB、ベスト盤販売好調で日本が初の首位に
世界の音楽売上、13年ぶりにプラス
4月8日、世界64ヶ国・1,400以上のレコード会社やレコード業界団体などが加盟するIFPI(International Federation of the Phonographic Industry/国際レコード産業連盟)は、平成24年の世界の音楽売上を集計したレポートを公表。そのなかで、世界49か国の音楽市場の売上は、平成11年以来13年ぶりのプラスとなりました。
49か国の音楽市場を合計した売上は、前年比0.2%増の164億8,060万ドル。音楽の二次利用に関する権利収入を加えた国別の売上では、1位がアメリカの44億8180万ドル。2位は日本の44億2200万ドルです。
ソフト販売・有料音楽配信では日本が初の首位
なお、日本は音楽の二次利用に関する権利収入を除いた音楽ソフト(オーディオ、音楽ビデオ含む)および有料音楽配信の売上合計が、42億8220万ドルで1位となり、2位のアメリカを抜いて初めて世界一となりました。
無料ダウンロードの横行により、消費者がお金を払って音楽を「買う」ことをしなくなる「音楽離れ」も叫ばれて久しいものですが、それでも世界2位という結果は意外にも感じられます。
AKBやベスト盤が販売額底上げ
これについて、IFPIの日本支部に加盟する日本レコード協会(東京都港区虎ノ門2‐2‐5 共同通信会館9階/会長:北川直樹氏(株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント/代表取締役CEO)は、AKB48をはじめとするアイドル関連の作品と、Mr.Childrenや松任谷由実、桑田佳祐ら人気アーティストのベスト盤アルバムの売り上げが好調で、音楽マーケットを牽引したと分析しています。
日本を除く上位各国ではやはり、単価の安い音楽配信の売上が伸びており、日本とは異なります。
マニア向け市場に支えられる音楽業界
これまで、日本の音楽産業の収益減の原因は、違法ダウンロードの跋扈にあるとされていました。「著作権の侵害を食い止める」という観点から、昨年10月「違法ダウンロードの刑事罰化(ダウンロード禁止法)」が施行開始されています。これにより、音楽産業の収益も増大することが期待されていました。
しかし、今回の「音楽売上世界1位」は、ダウンロード禁止法の成果に非ず。日本の音楽産業はマニア向けのマーケティングが功を成す、特異な市場となっているようです。
実際にはこの法案が法律になる以前から消費者はあまり音楽にお金をかけていなかったという見方も。法律も業界全体の動向も「音楽離れ」を食い止めるという、文化的な側面からは遠ざかっているという印象が否めません。
●関連記事:「牽引役はAKB48!CD販売14年ぶりに回復の兆し、販売戦略はおまけ付きの付加価値」[2012.11.12配信]
[2013.4.16]
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