複数社の保険から選べる乗り合い保険ショップ急増!「中立・公平」?に金融庁は実態把握、保険業法改正へ
乗り合い保険ショップ:来年6月には1,000店舗に拡大
ここ数年、複数の保険を扱う乗り合い代理店の店舗数が急増しています。テレビでは消費者に合った保険商品が選べるとコマーシャルが増え、駅前やショッピングセンターなどでは店舗が急増。乗り合い保険代理店大手の「ほけんの窓口」「保険クリニック」「保険見直し本舗」「みつばち保険ファーム」の4社の店舗数は、今年6月末には約800店舗に急増。来年の6月末には43%増の1,100店舗に拡大する計画です。
乗り合い代理店は、特定の保険会社の商品だけでなく、複数の保険会社の商品を比較。消費者に合った商品が選べる利点があります。消費者にとっては、少ない負担で手厚い保障の保険に加入できるなど、乗り合い代理店の存在感が高まっています。
来店型店舗:流通コスト省き、拡大中のネット通販とは逆行
乗り合い代理店の急拡大は、これまでの職場での保険営業や個人宅への訪問販売など、時代とともに販売法が変わってきた背景があります。ネットでの通販も拡大を見せるものの、長期間支払う保険だけに保障内容や請求法などじっくり聞きたいという消費者心理も働きます。
乗り合い代理店の店舗では、相談無料で「中立・公平」な視点で消費者に適した商品が提案されています。一方、店舗や人件費などの流通コストを省くネット通販が急拡大するなか、逆行するように来店型店舗でアドバイスを受けられる「中立・公平」に疑問の声も上がっています。
金融審議会:消費者に特定の保険商品を勧める理由を義務づけ
消費者が支払う保険料は保険会社に預けられ、代理店には保険会社から手数料やインセンティブが支払われます。代理店の利益は手数料となり、その額が大きい商品を消費者に勧めるのは商売では当然となります。ここで問題となるのは、「中立・公平」が守られているのかということになります。
金融庁では、乗り合い代理店ショップにアンケートやヒアリングを実施するなど実態把握に乗り出しています。首相の諮問機関・金融審議会の作業部会では3月1日、乗り合い代理店に対して消費者に特定の商品を勧める際には理由を説明するよう義務づける規制案を示し委員は大筋で了承。今夏には最終案をまとめ、保険業法の改正を目指すとしています。
金融庁:手数料の大小で商品を勧めていないか「検査・監督」で検証
規制案は、乗り合い代理店が消費者の選べる商品の範囲を提案して、さらに特定の商品を勧める場合は理由を義務づけます。また保険会社から受け取る手数料の開示は、今回の審議会では結論が出なかったものの、手数料の大小で偏った商品を勧めていないか金融庁の検査・監督で検証する案を示しました。
一時的なアドバイス料と異なり、保険料の支払は長期間にわたり消費者にとって負担は少なくありません。少ない負担で安心の補償が得られる本来の「中立・公平」な保険商品が選べるしくみが必要なようです。
[2013.3.7]
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