日本版シェール革命「メタンハイドレート」日本海で本格調査開始!世界リードする日本は技術革新こそが資源
日本海側10府県:天然ガス発電で地域活性化を要望
経済産業省は、国産の天然ガス・メタンハイドレートの開発を促す日本海側10府県の要望に応じ、平成25年度予算案に調査のための必要経費を盛り込み本格的に着手します。京都府は、すでに日本海側で天然ガス発電施設の立地調査に乗り出しており、天然ガス採掘による発電の拠点化など地域の活性化に繋げる意向です。
日本海側のメタンハイドレートは、上越沖に埋蔵が確認されているもののこれまで本格的な調査は未着手。大学や民間の調査で壱岐周辺の海底に広く分布していることが最近わかり、同省では概算要求通り調査費87億円を計上。資源エネルギー庁では、ガス抽出は時間がかかるものの埋蔵場所や量は確認するとしています。
採掘コストはLNG輸入価格の3倍!技術開発で低価格実現
政府は、平成14年度よりメタンハイドレートの埋蔵状況調査を主に太平洋側で行ってきており、これまで約580億円を投じて商業化へ向け研究を継続。今年1月から南海トラフ海域でメタンハイドレート世界初の生産実験が行われ、平成30年度以降、商業開発に向けた技術の課題抽出が始動します。
メタンハイドレート開発計画を実現する官民学共同の「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」によると、採掘コストは1立方メートル当たり46〜174円とLNG輸入価格の40〜50円に比べコスト高。商業化に向けた効率の良い採掘、生産など日本の技術開発の向上が試されます。
米国:技術革新で世界最大の天然ガス生産国へ浮上
シェールガスの技術開発によって米国は、世界最大の天然ガス生産国となり今春からは日本にも輸入される予定です。米国でも当初、ガス抽出にはコストがかかり商業化に時間はかかったものの、技術革新により従来では不可能とされた商業化を可能にしました。
日本のメタンハイドレート開発は、40年ほど前より始まり平成2年に南海トラフで初のサンプルを採取。平成14年にはカナダ沖で世界で初めてメタンガスの生産を成功させました。世界的に見てもメタンハイドレートの開発は日本が先行。これからの技術革新で新しいエネルギーが供給される日も遠くはないでしょう。
資源乏しい日本でも、新たな技術革新こそが日本の資源
日本は過去、資源の乏しい国としてエネルギーなどは輸入に頼る一方、天然資源を持つ国の資源生産を技術支援してきました。資源豊富な国でもその資源を商業化し役立てることができなければ宝の持ち腐れとなるだけです。官民学が一体となり新たな資源を発掘し調査、生産、商業化する技術革新こそが日本の資源とも言えるでしょう。
今夏から始まる日本海側のメタンハイドレート埋蔵調査は、これまでの調査を踏まえ試掘など同様に進め、エネルギーの輸入依存からの脱却を図目指します。
●関連記事:「日本海の自治体「京都府」などが連携し、メタンハイドレート開発促進、採掘技術確立」[2012.9.18配信]
●関連記事:「世界エネルギー構図に変革!米シェールガス産出技術革新で経済活性に、日本はメタンハイドレート」[2012.7.20配信]
[2013.2.11]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 日本版シェール革命「メタンハイドレート」日本海で本格調査開始!世界リードする日本は技術革新こそが資源
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/1186
コメントする