日本初!JR九州クルーズトレイン「ななつ星」人気、競争率は7倍!九州版オリエント急行で欧州客を獲得
客車7両に客室はわずか14室、全室スイートルーム仕様の豪華さ
JR九州は昨年10月に、九州の主要観光地を3泊4日でゆっくり巡る豪華観光寝台列車「ななつ星in九州」の今年10月〜12月運航分を発売。1名の基本料金は最高で55万円にも関わらず応募は殺到。競争率は7.27倍と大ヒットツアーとなりました。
ななつ星の最大の魅力は、車両の豪華さで7両の客車に14の客室はホテルのスイートルーム仕様。和と洋の融合を表現し、木造の壁やテーブルに障子窓も施され、新幹線1編成に匹敵する約30億円かけられ製造。今年10月15日から、日本では初めてのクルーズトレインとして運航されます。
食事は九州産野菜に焼酎、乗務員は有名旅館で接客術を習得
今年1月4日からは、来年1月〜3月運航分を募集開始したものの、わずか半月で競争率は3倍に達し人気はさらに拡大。今年10月の応募に漏れた希望者は、来年出発便に優先的に回されるものの競争率は10倍を超える勢いです。
ななつ星の食事用車両では九州の野菜を使った料理や、ピアノバーでは九州の焼酎が提供され、乗務員は大分県湯布市の有名旅館で接客術を習得予定。駅から観光地までは豪華専用バスも用意され最高のおもてなしが用意されます。当初はこれほどの反響があるとは思えなかったJR九州では、「九州でしか楽しめない世界一の旅を提供します」と九州版オリエント急行を彷彿させます。
歴史の長い欧州のクルーズトレイン、欧州客にななつ星の受入れ好感触
九州は、観光資源に恵まれながらも知名度不足も拭えません。オリエント急行同様に、ななつ星の運航により国際観光地として海外からも注目される可能性も高まります。
JR九州は昨年6月に中国の上海と、12月にはフランスのカンヌで富裕層向け旅行商談会に参加。ななつ星の評判は上々で香港や台湾、韓国、さらに欧州の複数の旅行業者と交渉を開始。来年4月以降の運航分から海外での販売も視野に入れます。とくに欧州は、クルーズトレインに長い歴史と文化があり、ななつ星に商品価値を見い出しています。オリエント急行は、列車に揺られながら国境を渡り観光地を巡る旅。現在まで130年の歴史を誇るなど、欧州客のななつ星クルーズも実現しそうです。
2013年旅行業界:LCCとツアーバスで低価格化、今後は付加価値・差別化で単価アップ
旅行大手JTBの「2013年の旅行動向見通し」によると、旅の機会は増えるものの客単価はLCC(格安航空会社)やツアーバス人気で低価格化。潜在ニーズの掘り起こしはできたものの鉄道、航空と競争は激化状態です。今後は、いかに付加価値、差別化を図り顧客満足度と客単価を上げるかが課題となり、ななつ星はそのニーズを見事に掴んだようです。
今年は、ななつ星のほかにも冬にはJR東日本が蒸気機関車C58形を復活させ、SL銀河鉄道として釜石線を運行予定。観光復興の一助と期待されます。さらに伊勢神宮では20年に1度の式年遷宮が行われ、近畿日本鉄道では新型観光特急を3月にデビューさせるなど、今年は新しい鉄道の旅が旅行・観光産業に活況をもたらしそうです。
[2013.2.7]
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