楽天市場、ショッピングモールから自社運営小売へ軸足!?物流インフラ整備で猛追アマゾンに対抗
好調コンビニ売上高、昨年は2年ぶりに前年割れ、ネット通販の台頭響く
日本フランチャイズチェーン協会は1月21日、昨年の主要コンビニ10社の売上高(速報値)を発表。売上高は、前年比0.3%減の8兆2,233億円と2年ぶりに前年を下回りました。震災の影響で生活必需品のまとめ買いがあった前年の反動による減少に加え、利便性の高いネット通販の台頭が何より売上に響いています。
スマートフォンの急増により通販市場は5兆円を超え、その勢いは今も衰えていません。コンビニ各社は巻き返しに向け、ローソンはヤフーと連携し今年1月から宅配事業をスタート。セブンイレブンやファミリーマートではシニア向けの弁当宅配サービスなど差別化を図り、新規顧客獲得を狙います。
シニア層・ネット消費調査:購入商品トップ3は全て生活必需品
アンケートサイト「Qzoo」とシニア向けサービスを提供する「ZEN」が運営する「シニア・ナビサーチ」は1月11日、ネット通販における「シニアの消費に関するアンケート調査」を発表。全体の購入商品のトップは「食品」と構成比90.0%を占め、「お茶・清涼飲料」が69.5%、「日用消費物」が66.6%と全て生活必需品であることがわかりました。生活必需品はリピート率も高いだけに顧客の固定化が重要となります。
利用するネット通販サイトでは、「楽天市場」が89.4%でトップ。「アマゾン」が55.2%、「ヤフー」が27.0%と続きます。トップ独走の楽天市場は、契約店舗数4万店、売上高は昨年1兆円を突破するなど、流通業界に多大な影響を与えました。
楽天:「アマゾン流」モデルの取込み、物流インフラ整備を強化
シニア層に圧倒的支持を得て取引額でリードする楽天市場ですが、調査会社のニールセンによると昨年12月の楽天市場への訪問者数は2,717万人。一方、アマゾンへの訪問者は2,496万人と拮抗しています。集客で迫るアマゾンに対し、楽天は対抗策としてライバルの「アマゾン流」をビジネスに取り込みます。
楽天市場は、商品を供給する契約店舗から賃料を受取り販売する場所を提供。店舗が運営から販売、発送まで手がけるモデルに対し、アマゾンは、商品を大量仕入れで在庫管理から販売、物流を一貫して自社で行いコストを抑え、価格競争力で支持を得ています。楽天は、このモデルを楽天市場でも提供できるよう昨年から大型物流施設などのインフラ整備を急ぎ、売上拡大を図ります。
6月から生鮮食品、日用品を即日配送
楽天は、昨年7月に直営のネットスーパーをオープンさせ、生鮮食品や日用品を地域限定ながら注文翌日に届けるサービスをスタート。アマゾン同様に仕入れから商品管理、発送まで手がけます。さらに、今年6月からは、関東地域で直販する日用品のほか、一部契約店舗の商品を注文当日に届ける即日配送をはじめます。対象商品と物流網を順次拡大し、3年以内には国内の住居7割の地域をカバー。猛追するアマゾンを独自サービスで引き離す構えです。
利便性が高まるネット通販には、NTTやリクルートなど大手が市場に参入。付加価値や差別化を模索し利用者獲得に乗り出し、新たなビジネスモデル創出のスピードがさらに進みます。
●関連記事:「スーパー売上高、店頭X宅配の明暗クッキリ!ネットスーパー競争に楽天新参入」[2012.9.28配信]
[2013.1.30]
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