ゆうちょ銀行「住宅ローン」及び「法人向け融資」事業参入準備、保証会社へ出資・出向!判断は金融庁!
郵政民営化委員:融資事業参入は「実施することが適当」
ゆうちょ銀行は、住宅ローン参入に向け、貸し倒れに備えた保証を手当てするため提携するスルガ銀行傘下の保証会社・SDP株式会社に出資する計画を示しました。住宅ローン業務に参入する際の課題となっていた「リスク管理体制」を整備し、早期の業務開始を目指します。
ゆうちょ銀行は昨年平成24年9月、住宅ローンや法人向け融資事業の参入への認可を申請。12月18日には、政府の郵政民営化委員会が、ゆうちょ銀行の融資事業参入について条件付きで「実施することが適当である」との意見書がまとめられ、金融庁へ承認の判断を委ねました。
金融庁:民営化発表直後に「認可の可否について判断する段階にない」
ゆうちょ銀行は、平成20年5月よりスルガ銀行の住宅ローン媒介業務を開始。SDPへの出向は8名を実施。今年4月の融資事業参入を目指し、SDPの人員を10名に拡充する計画。融資の取扱い状況に合わせ、段階的に人員を強化し5年後には14名体制へ拡充。スルガ銀行との人員構成比がほぼ同数となることを想定しています。
ゆうちょ銀行は、SDPへの出資と人員拡充と着々と準備を進めるものの、認可権限を持つ金融庁では郵政民営化委員会が「実施は適当」と応えた12月18日、「審査の進捗状況から、およそ認可の可否について判断する段階にない」との異例のコメントを出しました。
ゆうちょ銀:金融庁からは怒り!?民間金融機関からは猛反発!
金融庁が指摘するのは、ゆうちょ銀行の教科書のような書類や、課題の残るリスク管理計画です。さらに曖昧で、要請された情報を小出しするなど金融庁に対し、良い印象が与えられなかった事が原因のようです。金融庁では、リスク管理体制など厳格に審査する方針を提示。麻生金融相は、昨年暮れに「とても間に合う状況ではない」と述べ、今年4月のスタートは絶望的ですが、SDPへの出資、人員拡充でゆうちょ銀行も対抗策をとります。
昨年12月18日には、全国銀行協会など金融7団体からなる「郵政民営化を考える民間金融機関の会」が「民業圧迫」を強く訴える共同声明を発表。金融庁、民間金融機関の包囲網をどう懐柔するのか次のゆうちょ銀行の手腕が見ものです。
ゆうちょ銀「民間が手の出しにくい案件を請負」、日本版サブプライムの懸念
これまでゆうちょ銀行は、新分野の住宅ローン事業参入に関して、「収益力の強化が必要」との見解から、民間金融機関を補完する住宅ローンを担うことを訴えてきました。住宅ローンの対象を民間が扱いにくい低所得者層や高齢者、自営業者などを主に展開する方針を示しました。融資期間としては、50年の超長期ローンも請け負うなど、貸し倒れリスクが高そうな案件は、日本版サブプライムローン問題に発展する懸念も残ります。
タイミングは金融円滑化法終了時に参入
現在、住宅ローンは史上最低金利が続いています。過当競争にあるのも現実です。中小企業金融円滑化法が3月末で終了するし中、ゆうちょ銀行の融資事業新規参入はローン市場にどのように影響を起こすのか、ぜひ救済型ローンであって欲しいく、これからの動きから目が離せません。
●関連記事:「ゆうちょ銀行:住宅ローン事業へ参入申請の脅威!暗黙の「政府保証融資?」に民間は逼迫」[2012.9.7配信]
[2013.1.25]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: ゆうちょ銀行「住宅ローン」及び「法人向け融資」事業参入準備、保証会社へ出資・出向!判断は金融庁!
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/1167
コメントする