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あの名作が電子復刊!「没後50年」経過の著作権切れ作品、ネットで無料公開解禁/著作権にも関わるTPP問題

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あの名作が無料で読める!ネット図書館「青空文庫」にて続々公開
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民俗学の祖、柳田國男の名著『遠野物語』が、今年の元日からインターネット上で、無料で読めるようになっています。文学作品などを無償公開している「インターネット電子図書館」の「青空文庫」に、同日公開されました。
昨年は柳田國男の没後50年にあたりましたが、青空文庫では「著者の死後50年」の著作権保護期間が終了した作品が続々公開されています。
▼インターネット電子図書館:青空文庫

歓迎「没後51年」?著作権切れ作品の無料利用解禁
現在日本では、文学作品の著作権は、著作権法で「著作者の死後50年を経過するまで存続」と定められています。期間は死亡の翌年の1月1日から起算されることから、死後50年経過後最初の1月1日で消滅します。昭和37年の物故者の場合、昨年末で切れ、今年から自由に閲覧・利用できます。そのため、青空文庫では毎年1月1日に新たに著作権が消滅した作品を一挙に公開するのが恒例となっているとのこと。
文学作品や音楽は、その作者の「生誕○年」「没後○年」など節目の年にはメディアで特集が組まれたり、店頭で再販商品のフェアが開催されたりするものですが、電子書籍やタブレットの普及など、時代の変化によりまた違った展開も出ている様子です。

今年は電子復刊の当たり年!『遠野物語』『三国志』『叙情小曲集』など
ちなみに、没後50年が過ぎて、今年著作権の保護期間が切れた作家は他に『宮本武蔵』や『三国志』を著した吉川英治、『愛の詩集』『抒情小曲集』などで知られる詩人の室生犀星など、錚々たる顔ぶれ。青空文庫では元日に12人の作家の著作のうち、下記の作品を公開しました。

秋田雨雀『三人の百姓』
飯田蛇笏『秋風』
小倉金之助『黒板は何処から来たのか』
西東三鬼『秋の暮』
妹尾アキ夫『凍るアラベスク』
土谷麓『呪咀』
中谷宇吉郎『雪』
正木不如丘『健康を釣る』
正宗白鳥『心の故郷』
室生犀星『抒情小曲集 04 抒情小曲集』
柳田国男『遠野物語』
吉川英治『私本太平記 01 あしかが帖』

他の作品も、公開を予定した作業リストに登場しています。人気作が多く、例年以上に話題を呼びそうです。

農業・医療だけじゃない!著作権にも関わるTPP問題
ただし、日本では50年と定められている著作権保護期間も、欧米では70年が主流。米国は以前から、日本も70年とすることを要求、国内の権利者団体なども同様の主張を続けており、保護期間延長問題は大きな検討課題となっています。環太平洋経済連携協定(TPP)参加問題で、再び著作権保護期間の延長を要求される可能性も出てきており、進展が注視されます。

文学作品のデジタル化が進むことは、紙の手触りを愛する本読みにとっては少々複雑な思いもあります。また、貴重な資料を扱う古書店などの経営に影響を及ぼすであろうことも無視できません。
とはいえ、名作を無料で読めるとはありがたいこと。これらの作品を知らなかった若い人々に改めてその価値を知ってもらい、後世に語り継いでいくためにも、重要な意味を持つでしょう。

[2013.1.15]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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